夢を追う

とっぴい@猫部@NIT所属@WGS所属

夢を見つけるために

 将来の夢、また今後の目標がない…

 

 そのような状態になったことがある人は多いのではないか。


 少なくとも僕は今、今後の目標が全くないという状況に陥っている。


 これはそんな僕、天原健あまはらけんが夢を見つけ、夢を追いかけていく物語である。

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 いつも思う、周りの人間は将来の夢やこれからのことを決めているというのになぜ僕はそういった類のことが一切決められないのだろうかと。僕は昔からそうだった。

 

 なぜいつもこう思ってしまうのか、理由は分かっている。


  夢を決めてその夢を追いかけて行った時に失敗するのが怖いのだ。

 

 僕はまだ中学2年生、夢がなくても仕方のない年齢であるのではないかとも思う。しかし周りは中学1年生の間に夢とまではいかなくても今後の目標くらいはちゃんと決めているのだ。

 

 その中にいたら1人だけ夢はおろか、今後の目標もないというのはとても目立つ。そう、はっきり言って僕はクラスから浮いている。だから夢を探さなければ、と心の奥で焦っているのだ。

 

 そんな僕でもクラスから孤立とまではいっていないのでもちろん信頼できる友人はいる。

 

 それが彼、藤沢だ。フルネームは藤沢匠ふじさわたくみと言う。

 

 彼とは小学5年生の春、受験のための塾で知り合った。僕が塾の中で一番上のクラスに上がった時からだ。彼はとてもフレンドリーであり性格もいいのでクラスの仲間から信頼されていた。藤沢は僕より断然頭がよく、初めはいくら彼がフレンドリーとはいえ近寄りがたい壁を感じていた。

 

 藤沢と親しくなったのは小学5年生の冬頃だった。

 

 席はランダムだったため同じクラスと言ってもテストでかなりの点数差がある僕と藤沢が隣の席同士になったのだ。そのため休み時間などで藤沢と話す機会が増えたのだ。しかも当時僕がハマっていたゲームが藤沢も好きということがわかり、席が変わって離れても(1ヶ月に1回席替えがあった)話すようになってきたのだ。

 

 そしてなんと6年生の春頃からから僕の成績が上がってきて藤沢と同じ難関私立中学校学校(中高一貫)に入ることができたのだ。

 

 そして去年も今年も同じクラスになることができたため仲はかなり深まった。

 

 他の友人には相談しづらいことも彼にならば相談できるのだ。

 

 そして今日も藤沢に何かアドバイスをもらえないかと思い自分の悩みを聞いてもらった。


「なあ、夢ってやっぱりみんなあるもんなんだよな?」


「まあ、そうだろうな。」


「夢ってどうやったら作れるん?」


「いやあ…夢と言っても人それぞれだからなあ。」


「強いていうなら自分の心に強く衝撃が残ったものを夢にする人が多いんじゃないか?俺はそうだったし。」

 

 ちなみに藤沢はこの学校のクイズ研究部がクイズ大会でかなりの成績をおさめてることをテレビで知り、クイズプレーヤーになりたいと思っているそうだ。


「確かに僕はあんまり心に衝撃が残ったものがないかも知んないな。藤沢話聞いてくれてありがとな!」

 

 そう藤沢に礼を言い(もう放課後であり今日は部活動もないので)とりあえず家に帰ることにした。

 

 藤沢の言っていたことについては僕は自分の中では大いに納得することができた。

 

 心に衝撃に残ったものが少ないということは僕があまり色々な体験をしていないからではないかと思ったのだ。

 

 僕は「めんどくさいから」という理由でイベントなどに参加していないことが多いからである。

 

 僕に夢が出来ない理由は夢を追いかけて失敗することへの恐怖ではなくて単に経験が足りなくてまだ自分が本気で「これをやりたい!」と思うものに出会えていないだけなのかもしれない。

 

 だから僕はこれから沢山の経験を積んで行き夢になりそうなものを見つけていこうと思った。


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