突然現れた暗闇
(side:春樹)
いつも通り通学している時にそれは突然現れた。僕の人生はここから狂ってしまうのか、そう思ってしまうほどの暗闇だった。深く、どこまでも続く暗闇だった。
そう思ったのを最後に僕の意識は途切れた。
次に目を覚ました時に見たのは空だった。色こそは夕焼けと似ているが、それでも普段の空とは到底思えないよう禍々しい雰囲気に包まれている。
なにが起こっているのだろうか、僕は目の前の光景が信じられなかった。コンクリート製のはず建物には草が生えていたりつるが伸びていたりする。これだけだったらまだよかったかもしれない。しかしさらに衝撃的な光景が目に飛び込んできたのだ。
その建物は所々(特に屋上付近)が崩れていたのだ。そして周りを見渡すとこれはまた原生林くらいにしかないであろうサイズの木があり、現実ではそうそうありえない光景に僕はどうすることもできなかった。
これがいわゆる異世界転生なのであろうか?とも思ったがそれにしては桜市で見たことがあるような気がする建物もあるような気もする。(ここまで廃墟のようになっているのよくわからないが)
しかも僕は乗り換えのために駅を歩いていたはずなのだが今いる場所からは駅の残骸すらも見当たらない。
一体ここはどこなのだろうか
少なくとも今までのように家でおいしいご飯を食べたり、家族と話したりといった、まあ幸せであろう生活が奪われたということだけはわかる。
家族に会いたい、友だちに会いたいという思いがだんだんと強くなってくる。いっそこの悲しみを怒りなどに変えて暴れる方が楽なのだろう。しかしこんな状況では無駄に体力を使うわけにもいかない。
それでも、もう永遠に家族、友だちと会えない可能性があると思うと感情がコントロールできなくなってる。
こんな事をした犯人がいるのであればその犯人が憎い、憎い、憎い、憎い、憎い……
この行き場のない怒りはどこにぶつければいいのだろう、いるかもわからない犯人を心で憎んでも始まらないのに。
それでもこんな理不尽な状況で死ぬわけにはいかない。
絶対に生き残る、そして家族、友だちと再開してやる。
まずは僕以外の人間を探すところからだ、ここにずっといても食べもの、飲み物はリュックサックに入れている弁当の分しかないのだから。
また感情的になりそうになる自分の心を必死で抑え込み僕は一歩を踏み出した。
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ロスト・シティの本格的なストーリーが始まり出しました。
こんな状況になったら僕は耐えれません。こちら側の主人公は本当にすごいと思います。ギリギリとはいえ耐えているんですから。
精神がどうかしちゃいますよ、こんな状況。
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