ロスト・シティ〜史上最悪の現象〜

序章：悪夢の始まり

一瞬にして消えた街

（side:？？？？）

　この日の6時20分35秒桜市全域が一瞬にして消えた。そして桜市があった跡には世界最大の可能性もあるという、とてつもない深さの縦穴が空いた。

　この前代未聞の現象に巻き込まれた人は現時点で100万人、いやそれ以上いると見られる。

　ここに被害状況を記しておこう。この現象によって行方不明になった人数:100万人近く（まだ確認しきれていないのだが）、この現象を目の当たりににしたことによると見られる精神的なダメージを受けた者:406人（これも確認できている人数だけだ）、そして消失範囲:135.96㎢だという。

　桜市は政令指定都市であり、人口101.2万人と住んでいる人数が多い、その上に有名な自動車会社の工場がいくつもあるため通勤で桜市にいた者も巻き込まれてると考えられる。

　最悪だ、としか言いようがない。陥没という範囲ではない上、桜市だけが巻き込まれたのは異常だ。何か人ではないものの悪意すら感じてしまう。

　現在時刻は10時ちょうど、国の関係機関はすでに動き出し、緊急災害対策本部を設置し、現在会議真っ只中だ。あれを災害と言っていいのか、それは誰にもわからない。前例がないのだから。

　かくいう私も国の人間であり会議に参加しているのだが、参加者全員がこの未知の事態にどう対応すれば良いのか戸惑っている。とりあえず桜市の隣の市の関係者たちには桜市へのルートを全て遮断し人が近づけないようにしろとは指示してある。毒ガスが発生している可能性だってあり得なくはないのだ。

　全てが未知のことであり、なにがどうなっているのかはおそらく誰にもわからないだろう。

　何度も言っているが本当に前例がない事なのだ。自分が総理大臣になったばかりというのに、なぜこのタイミングでこんな事が起きてしまったのだろう。

　ここまでの対応はうまく行っているはずだが、これからどう対応していけばいいのか、見当もつかない。…一体どうすればいいのだろうか。

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　ここは状況を説明している所です。

　物語の本編は2話から始まっていきます。物語をしっかりと読みたい方は2話もぜひ読んでください！

　2話を見てから読み続けるか考えて欲しいと思います。（2話からが大事なので）