第5話 用水路に金魚


台風がやってくる。


用水路は大雨で水がさが増していた。


美雨とコウはその用水路でいつもは見かけない生き物を見つけた。


金魚だ。


オレンジ色のキレイな金魚が泳いでいる。


2人は顔を見合わせて家に急いで帰った。


カッパを着て、タモを持って走った。


用水路にはまだ金魚がいた。


美雨とコウは大雨の中、タモを必死で動かして金魚を捕まえようとした。


なぜこんな所に金魚がいるのだろう。


そんな事を考えながら、無言でタモを動かすがなかなか捕まえられない。



そうこうしているうちに金魚はどこかへ行ってしまった。



美雨もコウも凄く凄く残念な気持ちになった。



くっそう!!!と思った。



どうしても捕まえたかった。



家に同じような金魚はいるのだ。



でも用水路にいるなんて、なんだか凄く特別に思えたから。



見慣れなかった光景に2人の興奮はおさまらず、もう少しだけと約束して、再度探したが見当たらなかった。



雨の中2人で手を繋いで家に帰った。

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