アラームが鳴り、ゆっくりと体を起こす。

まだ少し体が重い。

昨日食べ過ぎたのか、胃もたれのようだ。

手すりに摑まり、一歩一歩。

黄色みがかった彼女は今日はまた遅いようで笑顔が絶えない。

青の彼を横目に布を見定める。

青の彼は箱を抱え紐を結い、扉を開けていった。

今日はどう色を埋めていこうか。


歩けば歩くほど迷うことが出来る。

色を呑むたび、悩む喜びがのどを通る。

最近は紺が多いようだ。

紺が増えれば増えるほど見えづらい。


最近、吞みづらさを感じ、道具へと足を運ぶ。

荷物が増え、不便を感じ帰ることにする。

すると紺が迫ってくる。

「・・・・?」

わからないが、今日の色が見えなくなってしまった。

不愉快だ。


どの色にしようか。見渡してもこの紺以外、見当たらない。

仕方がないので今日は紺にしよう。

新しく買ったこれを試そう。


紺に困った顔を見せる。

すると紺はうつむきながら来る。


木の下、私は突き立てた。

紺がそこから垂れ出ている。

それをなめとり、そこから分かれている枝木を一本一本取り分ける。

樹皮をむき、今日はそこから味わうことにした。

紺色の皮はいつもよりも渋く、苦みがする。

紺に結んだ白が紺に染まったころ、紺が薄くなっていった。

赤や青よりも薄くなるのが早いようだった。

急がないと

私は身を取り、草や枝を食み、芯を植えた。

紺に染まった白で口を拭う。



今日の空はやけにまぶしく、日の落ちる時間を確かめながら

足を垂らした。

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