私の時間は私だけの物

kumaneko

第1話 出会い

「はぁ〜」

私はため息をつきながら屋上に向かっていた。

「あれ?誰かいる?」

屋上から、音楽が聞こえてくる。

扉を開けると、猫耳のついたパーカーをきた少女が、ギターを弾きながら歌っていた。

私が入ったことに気付き、演奏をやめこちらを見てきた。

可愛い。私は、そう思ったと同時に声も出してしまった。

「かわいいっ!」

その言葉を聞いて、彼女はポカーンとした顔をしていた。

「隣り失礼」

そう言って隣りに座った。

「どうぞ続けて」

とほほ笑み言うと

「プッ、アハハハハ」

と笑い出した。

「歌わないの?」

「はぁ〜、笑った。うーん。今は、そんな気分じゃなくなったかなー。」

「そう。」

私は少し残念そうに言った。

「そんなことより、あなたと話したいかな。」

「え?」

彼女はそう言うと、私に話しかけてきた。

「君、名前は?」

「私は日花 陽渚(ヒバナ ヒナギ)。」

名前を言うと、彼女は

「やっぱり、君がそうなんだ~。でも、イメージと全然違うね」

と言い彼女はほほ笑む。

「イメージと違う?」

「そう。君はいつも不機嫌で態度が悪いって、教師達から言われてたよ〜。文武両道で才色兼備なのに勿体ないとかも言ってたね。」

「え〜、そんなこと言われてるんだ。まあ、否定しないよ〜。」

「才色兼備とかも?」

「才色兼備とかも」

と満面な笑みで答える。

そう言うと、また彼女は笑う。

「で、君は?」

「はぁ〜、はぁ~。あー、私?私は、深月 ユエ(ミツキ ユエ)だよ。因みに、二年生だからね。」

「先輩なんだ〜。」

「そうだよー、ヒナギ。」

彼女はほほ笑みながら名前を呼んできた。

可愛い。なんかドキドキする。

「ねー。ユエち。そのギター仕舞える?」

「ユエち?ギター?まあ、仕舞えるけど、ユエちってなに?私先輩なんだけど?」

そう言いながらギターを仕舞った。

「仕舞ったけどどうしたの?」

その瞬間私はユエの膝にダイブした。

「え!急に何!?」

ユエは困惑したように問いかけてきた。

「ユエち。私と友達になって。」

「え!」

「嫌なの?」

「嫌じゃないよ。でもなんで急に?」

「私、友達いないのよ。」

「急になに?」

「それでね、初めて友達になりたいと思ったの。だからね・・・」

多分これは、友達になりたいとかじゃないと思う。けど、この気持ちはまだ伝えないほうがいいよね。

「ダメかな?」

「ダメじゃないよ。なろっか友達に。まずユエ先輩と呼ぶところと、膝枕やめようか。」

「やっ!」

「えー。」

「ここ私の特等席。私だけの。」

そう言ったら、ユエに頬を引っ張られた。

「にゃにふるのしゃ〜(なにするのさ〜)」

「一応私達初対面だからねー。馴れ馴れしすぎ。」

ユエは少しほほ笑みながらしばらく、陽渚の頬を引っ張っる。

「うにゅ〜」




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