第14話 柏木さんからの質問
玄冬さんとのゲーム配信をしてから早2週間。その間にも色々な配信をしました…
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「絶対に私だから!」
「い〜や…絶対に私だよ〜…!」
「……?」
「メルちゃん!」
「永遠乃ちゃん〜…!」
「は、はい!」
「コラボした人の中で、誰が1番好き?!」
「私だよね〜…?一緒にベッドで眠ったし〜…!」
「私だよね?初コラボ相手だし、リードもしてあげたし!」
「…えっと…強いて言うなら…玄冬さん…ですかね…?」
「武蔵野ぉ…?!」
「玄冬〜…?」
・<武蔵野 玄冬>ちょっと永遠乃さぁん?!?!
・急に矢面に挙げられとるww
・どんまい☆
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──────────
・そういえば、魔法って使っても良いの?
「特に使っちゃダメとかは言われてないですし、多分使っても大丈夫だと思いますよ」
「あの…永遠乃さん…無理なら良いんだけどな」
「?」
「その…魔法で腰痛を治したりって出来るか…?」
「腰痛…?それぐらいだったら一瞬で治せますよ?」
「まじか!ちょっと頼んでも良いか…?」
「わかりました。……よし、これでどうですか?」
「う…うぉぉぉっ!ずっと痛かった腰痛が全部消えてるぞ!!」
「なら良かったで……す…?」
・腰痛ない武将とか解釈不一致すぎる
・アイデンティティが…
・もう応援するの辞めます
・頼むから元に戻してくれ!
・一生のお願いです……
「……やっぱり、腰痛消すのは辞めときますね」
「ぐぎゃぁぁぁっ?!?!」
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…あれ、何故か毎回玄冬さんが絶叫してる気が…?
ま…まぁ!それはさておき…
そして今日は、
「ここのお料理美味しいですね…!」
「ふふっ。なら良かったわ」
柏木さんに連れてこられたのは何処を見ても高級感が溢れる完全個室のレストランで、最初は緊張してしまったけど、出てくる料理は見た目も鮮やかで上品な味わいで…緊張が吹き飛んでしまうくらいに美味しいです…!
「これならいくらでも食べれます…♪」
柏木さんは私が食べてる姿を見て穏やかな笑みを向けてくれていて、少し気恥ずかしさを感じながら、私と柏木さんは食事を進めました…デザートまで美味しかったです…!!
─────────
「ねぇ…メルトちゃん。貴方はこれから、どんな理由で配信をしていくつもりかしら?」
お腹いっぱいまで食べてから食後の休憩をしていると、そう柏木さんが切り出してきた。
「配信する理由…ですか?」
「えぇ。これまでにメルトちゃんには3人のライバーとコラボをしてもらったけれど、それをした上での貴方の考えを聞きたくてね」
柏木さんは、先程の食事の時と違い、いつの間にか真剣な表情で私を真っ向から見つめていました…。
…配信をする理由……最初は間違いなく、お金が欲しい一心で始めた仕事でした。
それでも、視聴者と話したり、他の人の配信を見たり、実際にコラボしてみたり…色々な配信をしてきた。
コラボした人達だって、色々な配信内容で、各々が個性を持っていた。
でも、そんな個性豊かな人達にも、1つだけ共通点があった……
「……私も、コラボした皆さんのように、見てくれてる人を楽しませたい…一緒に笑い合いたい…そんな配信がしたいです」
…そう。コラボした人達は皆、配信内容は違っていたけれど…配信を見てくれている視聴者達は、全員その配信を楽しんでいたし、視聴者だけではなく、配信してる3人もとても楽しそうだった。
私も、そんな風に永遠リス達と笑い合いたい…一緒に配信を楽しんでいきたい…!
「……つまりメルトちゃんは、見てくれてる人と一緒に笑顔で楽しむ為に配信をしたいのね?」
「はい」
「…お金を稼ぐ目的では無く?」
最初はそれだけが目的だったけれど…今は違うと断言できる。
「…はい。私はお金の為じゃなく、配信を見てくれる視聴者の為に配信をしたいです」
「………その気持ちに、嘘はないわね?」
「…私のこの気持ちは、間違いなく私の本心です」
そう口に出してから、私と柏木さんは正面から見つめあった……その状態をしばらく続けていると、突然、柏木さんが先程までの空気を解いて私に微笑みかけた。
「…合格よ」
「えっ…?」
「ソロ配信、してもいいわよ」
「…良いんですか…?」
あの最初の初配信以降、私はコラボしかしてこなかったし、ソロでの配信を許されることは無かったのに…
「メルトちゃんがお金の為だけに配信をしているなら、誰か悪い人に唆される可能性があったけれど…貴方は、お金の為じゃなくて視聴者の為に配信をするんでしょう?」
「はい…!」
「ならもう大丈夫ね…メルトちゃんは、配信者としての心構えをちゃんと持ってるわよ」
そう言ってから、柏木さんは初めて会った時と同じように私を優しく撫でてくれる。
「それに、もしメルトちゃんに何かあったとしても他の皆が守ってくれるしね」
「他の皆…ですか?」
「…禍辻は変態だけど、気に入った人に何かあったならすぐに行動を起こす面倒見の良さはあるし、眠莉さんも良く後輩の相談に乗ったりしてる…あの2人がいれば、何かあったとしても守ってくれるわ」
どうやらコラボ配信には、私を守ってくれる人との繋がりを作る目的もあったようです…本当に、お世話になってばかりですね…。
「さて、それじゃ話も終わった事だし、そろそろ帰りましょうか」
そう口に出してから、柏木さんは立ち上がって帰りの準備を始めた。
「あ…ありがとうございました…!」
私は急いで立ち上がって、柏木さんに、今日とコラボ、両方を含めて感謝を伝える。
「…所属してる配信者の管理も私の仕事だから、お礼を言われることでは無いけど…どういたしまして。」
柏木さんは、そんな私のお礼を正面から受け入れてくれた。
…私のマネージャーが、柏木さんで良かった…私は、心からそう思いました。
──────────
「あっ、最後に1つ聞きたいんだけど…」
「え?」
「メルトちゃんって、なんの動物が好き?」
「好きな動物…猫ですけど…?」
「猫ね……よしっ…!」
そう私に聞いてから、柏木さんは小声で何かを呟いて颯爽と帰っていった。
…いきなりどうしたんでしょう…?
✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -
もしも読んでくれた人がいるなら…
初心者の執筆なので、言葉の違和感や誤字などがあるかもしれません。もし見つけたら遠慮なく指摘していただけると助かります。
更新頻度も不定期ですが、続きが気になるって思ってくれた人がいれば嬉しいです。
[作者コメント]
メルトちゃんも成長したので、ソロ配信を解放します…あっ、これからも全然コラボはします
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