第13話 武将とゲーム実況②ホラーゲーム
ゲームの舞台である館の一室で、息を殺しながら部屋の隅で蹲っていました…。
「と…永遠乃さん、怖いのはわかるけど動かないと…!」
「こ、怖がってなんて無いです…!!こ…これは戦略的撤退というやつで……」
・戦略的撤退 (部屋の隅)
・ハムスターやん
・すみっ〇ぐらしかな?
・可愛いねぇ
「そこの永遠リスさん達!ちょっと黙っててください!!」
・えぇ…
・テンパリすぎて性格変わってるやんw
・でもこれはこれで〜?
・可愛い!
・好きぃーー!!
「あ…あんなのが出てくるなんて聞いてませんよぉ…最初は何もしてこなかったのに…!!」
ゲームを開始して、ゲームの舞台である館に2人で侵入してから中を一緒に探索している最中に、館を徘徊していた少女に見つかった私は、突然変貌した少女に散々追いかけ回されて、やっとこの部屋に辿り着いたのでした…。
「あんな敵…現実だったら館ごと吹き飛ばせるのに…」
・ヒェッ
・館ごと…
・ストーリー全無視w
・少女ちゃんゲームで良かったな…
「……永遠乃さん!」
「………」
玄冬さんが何かを喋ってるけど、私は何も聞こえません…!
「ちょっと永遠乃さん!!」
「な…なんですか玄冬さん!私は絶対にココから動かないですから…」
「いやそっちの部屋に少女が…」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?!?」
・wwwww
・流れが完璧すぎるw
・叫び声助かるわぁ
・メルちゃんの叫び声で飯が進む
・今3杯目
・ウマウマ
ちょっと今日の永遠リスの皆さん性格悪くないですか?!?!
───────────
結局あの後、後ろを振り返ったら目の前にいた少女に捕まってしまったけれど…
「なんですか…?この姿…」
少女に捕まってから画面が暗転して、再び明るくなったゲーム画面には、先程まで自分が操作していたキャラが、とても小さな姿で表示されていました…。
・あー
・呪われたか
・小さなメルちゃんも可愛いで
・捕まると何故か人形サイズにされるんよ
どうやら、あの少女には捕らえた人間を人形サイズまで小さくする能力があるようです…どんな魔法なのでしょうか…?
「あ〜…それは…永遠乃さん、ちょっと1回外に来れるか?」
「えっ…それは…」
「大丈夫、その状態の時は追いかけられないから」
追いかけられないとしても、あの少女と出会いたくはないんですけど……でも…
「ずっとココにいるのもダメな気もしますし…わかりました…」
・ゲーム実況だからな…
・ずっと画面が動かないはアウト
・偉いぞメル様
・サイズダウンしたから視点がめっちゃ下やな
玄冬さんに任せきりなのもダメですよね…そう覚悟を決めて、立て篭もっていた部屋の扉を開ける。
「ひゃっ…?!」
・うおっ
・扉開けたらまた目の前w
・メルちゃんだけエンカウント率高くない??
・これは俺もビビるわ
…襲ってこないとは理解していても、やっぱり苦手です…!
──────────
「えっと、外に出てきましたよ…玄冬さん」
玄冬さんの言う通りに館の外に出てきた私は、玄冬さんを探して館の外周を徘徊していた。
「あっ、いたいた永遠乃さん」
少しの間そうしていると、玄冬さんが私を発見して近付いてきてくれました…
「やっと合流できたな…永遠乃さんすぐに逃げちゃったから…」
「に、逃げてないです!あれは戦略的撤退ですから…!!」
・それは同じ事では…?
・絶叫しながら走り回ってたのに
・戦略的撤退で行き着く先が部屋の隅かぁ…
・ぷるぷる震えてそうやなぁ
コメント欄が何か言ってるけど、私は断じて怖がって咄嗟に逃げたりなんてしていません…!
「あっ、そうなのか…?…まぁ良いや、それじゃちょっと儂に着いてきてくれ」
玄冬さんは私の言葉に納得?してくれたようで、私を何処かに案内してくれる。
「ここは…地下室?」
・おっ
・ゲーム実況よくやってるだけあるわ
・マルチの時の復活方法も知ってるんか
・ゲームは優秀だからなこの武将
「薪置いて…マッチ付けて…良し」
玄冬さんが、慣れた手つきで地下室の中に設置されていた焼却炉に火をつける。
「それじゃ永遠乃さん」
「はい?」
「この焼却炉の中に入ってくれるか?」
ん…?…私が、焼却炉の中に…??
「………正気ですか?」
・ファッ?!
・正気ですかは草すぎるw
・でも気持ちはわかるぞ
・傍から見たら同期を燃えてる焼却炉に入れようとしてるだけだからな
・文面だけだとクズすぎるだろw
「正気だよ!!急に辛辣やな?!」
「いきなり焼却炉に入れって言う人は少なくとも正気ではないと思いますよ…?」
「確かに文面だけ見るとそうだけど…ここに入ると復活できるんだよ…」
「えっ…そうなんですか?」
・そうやでー
・小さい身体燃やすと何故か元に戻る
・原理意味わからんけどマジ
・これは本当
「ほら、コメ欄の永遠リス達も言ってるだろ…?」
「ほ…本当ですね…誤解してすいませんでした…!」
どうやら玄冬さんは私を復活させようとしてくれていたようです…凄い失礼な事を言ってしまいました…!
「まぁ、ちゃんと復活するんだよって言わなかった儂も悪いしな…気にせんでいいよ」
「はい…それでは、入らせてもらいますね」
「おう、儂はちょっと人形探索行ってくるわ」
私はようやく、玄冬さんが火をつけてくれた焼却炉の中に飛び込む。
「ほ…ホントに戻れましたね…」
未だに少しだけ疑っていたけど、どうやら玄冬さんとコメント欄の言葉は真実だったようです。
・まだ疑ってたんか?
・ワイらは信用してくれていいぞ
・永遠リス嘘つかない
・うむうむ
「…さっき私が捕まった時に、ご飯が進んでた人がいる気がしたんですけど…?」
・ン?
・ダレノコトカナー
・ワイ、ワカラナイナー
・ソンナヒドイヤツイルンヤネー
「もう良いです…それより、私も人形探索に行かないと」
このゲームは9個の人形を集めればクリアで、私が逃げ回っている間に玄冬さんが7個も集めてくれていました…私も少しは貢献しないと…!
「人形見つけたら、永遠乃さんがさっき入った焼却炉に火をつけて燃やしてくれな」
「はい、わかりました…!」
焼却炉には、私を復活以外にも使用方法があったようです…凄いですね焼却炉。私も欲しい。
─────────
…その後、館内で少女に怯えながら探索をすること早10分…既に玄冬さんが1個人形を見つけて燃やしていて、残りは後1つだけになってしまいました…
「人形…見つかりませんね…」
・人形も動いて屋敷中歩き回るからなこのゲーム
・ホラーと探索が良い感じに混ざってるんだよなぁ…
・1回探した部屋にまた戻ると居るって時あるよ
・それはわかる
「あっ!ありました!!」
このゲームをプレイした事のある永遠リスのアドバイス通りに、入口付近の部屋に戻ってみたら、机の上に人形が置いてありました…!
「おっ!永遠乃さんナイス!」
ここで最後の1個まで玄冬さんに見つけられたら、私がただの役立たずになるところでした…
「後はコレを地下室に持っていけば良いんですね!」
これでもうクリアしたも同然です!
・良かった良かった
・まだ気を抜いちゃダメやで…
・気を付けてな?!
・ドキドキ…
コメント欄の永遠リス達が何か言ってるけど、後は焼却炉に人形を入れるだけ…ここまで来ればミスなんてしませんよ!
「えっと…地下室はこの階段を降りて…よし、少女は居ませんね」
後は扉を開けて、そこにある焼却炉にこの憎き人形を入れれば、やっとこのゲームともオサラバです…!!
「よし、これでクリ………ひゃっ…………」
「えっ…永遠乃さん?」
「………………」
「き…気絶してる…?」
・出待ちは性格悪すぎやって…
・扉開けてすぐは本当にダメ
・キャパオーバーだったか…
・メルちゃんピクリとも動かない
・まぁ頑張ったよ
・お疲れメルちゃん…
・
その後、限界を迎えてしまった私の代わりに玄冬さんが人形を焼却炉に入れて、無事ゲームはクリアされました…。
▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂
<リザルト>
・永遠乃 メルト
[獲得人形数] 0
[死亡数] 2
・武蔵野 玄冬
[獲得人形数] 9
[死亡数] 0
▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂
…こ、怖くはなかったけど、今日は久しぶりにキャスパーと一緒に寝ることにします…怖くて眠れないなんて事は絶対に無いですからね!これはモフモフなキャスパーを抱き枕にしたいだけですからね!!
✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -
もしも読んでくれた人がいるなら…
初心者の執筆なので、言葉の違和感や誤字などがあるかもしれません。もし見つけたら遠慮なく指摘していただけると助かります。
更新頻度も不定期ですが、続きが気になるって思ってくれた人がいれば嬉しいです。
[作者コメント]
ホラゲの時だけリスナーの性格悪くなるの配信者あるあるだよね…あの時のコメント欄の雰囲気大好き。
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