第8話 波乱のコラボ配信
「今日はなんとオフコラボ!私、
・寄りにもよってオフ?!
・逃げるんだメルちゃん!
・うわぁぁぁぁぁ!
禍辻さんの言う通り、今日はオフ配信?というのを禍辻さんから提案されて、本社の部屋を借りて配信しているんですけど…
「
どうにも、コメント欄の様子がおかしいです…。
禍辻さんが登場してから、絶叫したり、私に逃げろ、と訴えかけるようなコメントが多数流れてくる。
「多分、メルちゃんと一緒にいる私に嫉妬してるんじゃないかな〜?」
そんなコメント欄を眺めていると、禍辻さんが私に近づいて話しかけてきた。
「嫉妬…ですか?」
「そうそう、私とメルトちゃんが一緒にいるから、良いな〜って思って嫉妬しちゃってるんだよ!」
ふむ、そういう事ですか…コラボ相手の禍辻さんに嫉妬しちゃうなんて、永遠リスさん達も可愛いところがありますね。
「別に嫉妬なんてしなくても良いですよ?私はずっと皆と一緒にいますから!」
・凄い嬉しいけどぉ…!
・そうじゃないんだよぉ
・ま、まぁ流石に大丈夫だよな…?
・禍辻ぃ…
永遠リスさん達を安心させようと思って言ってあげたけど、コメント欄はまだ落ち着かない様子です…。どうして…?
「まぁまぁ、コメント欄よりも私とお話しようよ〜!」
「あっ、そうですね…」
コラボ配信ですし、やっぱり禍辻さんを放置する訳にはいかないですよね…。
私は一旦コメント欄の事を忘れて、禍辻さんとの会話に集中する事にしました。
「お話と言っても…何を話せば良いんでしょう?」
VTuberという物を知ったのも最近なので、コラボ配信でどんな事をするのかイマイチわかりません…。
「それなら私が進行やろっか?」
何をすれば良いのかわからない私を見かねてか、禍辻さんが声をかけてくれました。
…コメント欄は一層激しさを増してるのが少し不思議です…
「すいません…お願いしてもいいですか?禍辻さん」
「オッケー♪︎てか、普通に名前で呼んでも良いよ?」
「名前ですか…?」
「そうそう!苗字呼びなんて堅苦しいじゃん?私もメルちゃんって呼んでるし、メルちゃんも私のこと名前で呼んでよ!」
先輩をそんな風に呼んでも良いんでしょうか…?でも、禍辻さんが言うなら多分大丈夫ですよね。
「それじゃあ…よろしくお願いします。キメラさん」
「うん!それじゃまずは〜…」
禍辻…いや、キメラさんは、私が名前で呼んだことに満足したのか、早速コラボ配信の進行を始めてくれるようです。
「やっぱりコラボの定番!片方が質問して、もう片方がそれに答えるってやつやろっか!」
「…質問に答えるだけ…ですか?」
「そう!質問に答えるだけって言っても、やっぱりリスナーからは聞きにくい質問とかあるじゃん?それをコラボでライバー同士で話してみよ〜って事!」
「ふむ…わかりました。やってみましょう」
ライバー同士でしか話せないような事を質問で答える。という内容らしい…でも、リスナーさん達が聞きにくい事って一体…?
「それじゃ、まずは私の質問からね!」
どうやら、最初はキメラさんが私に質問をしてくるようです。どんな質問にもできる限り答えないと…
「ずばり!メルちゃんが今履いてる下着の色は?」
「えーっと、みず…い………」
……っっ?!??!?!?!??!
…と、咄嗟に答えそうになりましたけど…えっ、今キメラさんなんて言いました?!
「き…キメラさん?!?!」
・やっぱりやりやがったな禍辻ぃ!
・俺らのメルトちゃんに何してんだ!
・キメちゃん後輩に迷惑かけんな!
・安心と信頼のセクハラ…
・うわぁぁぁぁぁ!!
・
コメント欄の反応を見る限り、どうやら禍辻さんのこの行動は予想されていた事のようです…。けど…も、もしかしたら聞き間違いの可能性もありますし…!
「永遠リス達ちゃんと聞いた〜?メルちゃん水色だって!!可愛いね!」
「ちょ、ちょっとキメラさん?!?!」
あっ、これ絶対に聞き間違いじゃないやつです!!!それにしっかりと聞こえてたみたいですしぃ…
「あ、あの…キメラさん…?」
「ん?どうしたのメルちゃん?」
「そ、その…流石に質問がおかしくないですか…?」
「えっ?これぐらい普通だよ…?」
質問の異常さをキメラさんに訴えると、キメラさんは平然とした顔でコレが普通だと言ってくる。
・普通な訳あるか!
・騙されないでメルちゃん!
・おい禍辻ぃ!
・
「で…でもコメント欄の皆も、こう言ってますし…」
「…メルちゃんはコメント欄の人達と、先輩の私…どっちを信じるの?」
「えっ…」
そう私に聞いてから、現実のキメラさんは私に悲しそうな顔を向けて…
「私、後輩とのコラボ配信すごく楽しみにしててさ…いっぱい楽しもうと思ってたんだけどなぁ…メルちゃんは私のこと信用してくれてないんだね…」
瞳を潤ませながら、そんな言葉を口にしてきた…。
……こんなに私の事を考えてくれてる優しい先輩を疑うなんて、私は後輩失格ですね…!
「…疑ってすいません!私はキメラさんのこと信じます!!」
「……チョロいな」
・貴様ァ!!
・無垢なメルちゃんを騙して楽しいか!
・この鬼畜!!
キメラさんが私に聞こえない声量で何かを呟いてから、元々流れるのが早かったコメント欄が、嵐のような勢いで流れ始めた…。
でも、私は先輩を信じると決めたんです!
「さぁ、質問を続けましょう!」
「おっ!メルちゃんその意気だよ!!それじゃ次はスリーサイズを…」
覚悟を決めた私を見て、キメラさんが2つ目の質問をしようとした瞬間…
「……まーがーつーじー?????」
突然、私とキメラさんのいる部屋の扉が勢いよく開かれて、以前社長さんに向けたのと同じ…
「…ごめんねメルちゃん?ちょっと禍辻さん連れてくから、配信終わらせといてくれるかしら?」
「えっ、あっ…」
「は、離せー!私はまだ…………」
返事をする間もなく、柏木さんは禍辻さんを引きずって部屋から出ていってしまいました……とりあえず…
「……えっと…コラボ相手のキメラさんがマネージャーさんに連れていかれてしまったので、ここで今回のコラボ配信を終わりにします…?」
・マネージャーさんナイスすぎる!!
・メルちゃんが無事で良かった…
・激怒してたし、やっと罰が与えられそうやな
・本当にお疲れ様…
・メルちゃんは純粋なままでいてね
・セーフ…
・
配信の終わりを告げると、コメント欄は先程までの嵐のような勢いが止んで、まるで安堵しているようなコメントが流れてきました…
「それでは…永遠リスの皆さん、また次の配信で会いましょう。ご視聴お疲れ様でした…?」
・またね〜!
・メルちゃんもお疲れ様…また見に来るよ
・次の配信も楽しみにしてます
・運営は、ちゃんとメルちゃんに真実を教えるんやで
・<Live:story運営>任せてください
・頼むぜ運営
・
・
配信が切れる直前まで、コメント欄には安堵したコメントや、疲れたようなコメント、それと何故か運営さんに何かを頼んでいるコメントが流れ続けている…今日の永遠リスさん達は本当にどうしたんでしょう…?
……その後、戻ってきた柏木さんに真実を教えられて、私は少し人間不信になりかけました…私の初めて会った先輩は、どうやら変態だったようです…。
────※────
[
・清楚系(?)の合成獣ライバー。
・1期生の美少女枠(自称)で、合成獣という設定を駆使して、気に入ったライバーの身体のパーツを自分のアバターに付けたりする異常系配信者。
・他のライバーに対するセクハラも多く、
────※────
✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -
もしも読んでくれた人がいるなら…
初心者の執筆なので、言葉の違和感や誤字などがあるかもしれません。もし見つけたら遠慮なく指摘していただけると助かります。
更新頻度も不定期ですが、続きが気になるって思ってくれた人がいれば嬉しいです。
[作者コメント]
書くの楽しい&書いたらちゃんと読んでくれるから、中々早い速度で更新できてます!
♡や☆くれてる読者さんも本当にありがとうございます!…コメントしてくれても良いんですよ…?
[♡] [☆] [コメント] [フォロー]お願いします!モチベーションの上昇に繋ります
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