第3話 中層雲(高積雲、高層雲、乱層雲)
◇
「ひつじ雲」です。
まだら状に雲のかたまりが浮いているというところは
「高」という字がついていますけど、雲形の世界では、「高」よりも「
気圧や気温が上空よりは高いので、雲の粒が、台湾かき氷的な細かい氷の粒ではなく、もっと粗い氷の粒や同じくらいの大きさの水の粒になります。
巻積雲のようなさらさらした感じではなく、ころころした質感のある雲です。だから太陽光が透き通っても「かさ」はなかなか出現しません。かわりに、夕方とかに斜めから光が当たると、朱色や、透明なオレンジ色、かげのある灰色のようにきれいに染まることがあります。
夕暮れの時間、朱色やオレンジに染まった美しい高積雲を見上げながら「あー青春の一日が終わったー!」とかやってみたいところですが、科学部だとあまりそういう機会がないのが残念ですね。
まあ。
別に残念でもないか。
◇
空一面を覆う感じの雲です。
ちなみに、太陽や月から離れたところに、円い形で細く虹のようなものが出現するのが「かさ」(ハロ)で、それに対して、ちょっと分厚い雲を通して太陽や月が見えて、そのすぐまわりが虹っぽくなっているのは「
「かさ」が、虹と同じように、氷の結晶のなかに入った光が反射してできるのに対して、光環は、氷や水の粒の外側を回って来た光で、できかたが違うんですね。
で、薄めの高層雲のばあい、「かさ」はできないけど、「光環」はできることがあります。
「おぼろ月」って感じですね。
短歌を作る人とか、高層雲の光環に「風情」とか感じたりするのかな?
感じたりするのかな……。
まあ、いいけど。
高層雲というのは、空全体に、そこそこ大きい氷や水の粒が広がってできるるわけですから、空気がわりと湿っているときに出る雲、ということになります。つまり、高層雲が分厚くなってきたら、雨が近い、ということです。
◇
本格的に雨を降らせる雨雲です。愛が「この雲から雨が降りだしたらなかなか止まない」とか思っているとおりです。
高層雲がいよいよ分厚くなって、その底が地面に近づいてきて、雨を降らせるように変化した雲です。
この雲が存在するというのは、空気がめちゃくちゃに湿っている、ということで、それは雨や雪が降り出すとなかなかやまないわけです。
愛が学校を出たころには高層雲が分厚くなっていた段階だったはずなので、わかってるんだったら傘を持って行こうよ、と言いたいところなんですが。
わかっていても傘を持って行かないのが愛!
萌えます。
とても萌えます。
あ。
愛の話ではなく。
乱層雲は、見上げて灰色の暗い雨雲、というので、見ていてあまりおもしろい雲ではありませんが。
でも、乱層雲の下には「ちぎれ雲」が発生して、ちぎれ雲が、なんかすごい勢いで、形を変えながら「さーっ」と走って行ったりする様子は、ちょっとドラマチックだったりします(「ちぎれ雲」自体は積雲または
ところで、「乱層雲」の「乱」は「乱れている」というよりは「雨を降らせる雲」という意味です。
愛。
乱れちゃだめだよ。
……愛は乱れないと思うけど。
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