「シロノさんとクロノさん」訳ありアルビノ少女と超人の日常物語

@305060

第1話

暗殺者

それは依頼主の指定した人物をこの世から抹消する仕事。

暗殺者になった後、運営から与えられる依頼をこなせば一人前の暗殺者となり、「相方」を与えられる。

本来は一緒に依頼をこなす仲間が増えて嬉しかったりするのだろうが、、、

「はぁ、、、」

俺、「黒野貴斗」(くろのたかと)は与えられた相方との初の顔合わせから何時間経ってもため息が止まらなかった。

俺の相方の名前は「白野奏」(しろのかなで)

名前の通り全身真っ白で、あまり目が見えないし反応が遅い。

椅子から立ち上がるのも俺が手伝わないと無理という謎なやつだったんだが、そいつ曰く、

「幼い時に、事故にあってね。手術を受けたんだけど、目を覚ますかそのまま死ぬかわからなかったらしくてね。そこで最近発見された新しい手術を試さないかって言われたらしくてね」

「その手術の内容が聴覚、視覚、嗅覚、味覚、そして体を動かすために必要な神経だけ残してあとは取り除くっていう内容だったらしいの。その手術は成功したんだけど、それのせいで全身の色素が抜け落ちてアルビノになったし、力も弱くなっちゃった。あんまり目も見えないし、触覚がなくなったから触れられてるかどうかもわからない。だからこんな感じになっちゃったのよ」

らしい。

最初はかわいそうだと同情したが後から、「マジかよ」という気持ちが湧き上がってきた。

これからの殺し屋人生にこいつの介護が含まれるのかよ、、、と思った。

でも運営の決めたことは絶対だし、暗殺者の存在やアジトを知ってしまったので今更退職することなんて無理だ。

「マジかよ、、、あいつが本当に俺の相棒なのか、、、」

俺はもう何回目かもわからない独り言を言いながら街を歩いていた。

そんな時だった。

テロテンテン♪テロテンテン♪ピッ

「はいもしもし、黒野です。」

「黒野くん、依頼が入った。先ほど相方が与えられたと思うが、2人で協力して依頼をこなしてくれ。依頼内容はメールで送るから確認してくれ」ピッ

「え?ちょっと、運営!運営!」

電話の主である運営は、要件を告げた後すぐに電話を切ってしまった。

「はぁ、マジかよ。まあでもあいつがいないと思って行動すればいいだけだ。いつも通り依頼を遂行しよう、、、」

「さて、依頼内容は、、、いつも通りの暗殺依頼だな。暗殺対象は、、、ギャングのボスか。まあ、いつも通りに遂行しますか」


第一話,END

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