続;なんか用かい(妖怪)?、ペット(怪獣)飼うかい?。

高井希

第1話新しい挑戦

春休みも終わって、今日は久しぶりに謎クラブのみんなが集まる。

そうさ、僕はみんなに1つ提案があるんだ。

数ヶ月前からずっと考えてた。

僕らも人の役に立てるんじゃないかって。

君は覚えてる?、数ヶ月前に妖怪と怪獣達が力を合わせて大地震を防いだ事を。

TVでもネットでも大反響だったから君も観ただろう。

あれを見てから僕はウズウズしちゃってるんだ。

僕も、いや僕らにも何かできるんじゃないかって。

きみ、この話を知ってる?。

都市伝説の1つに、「妖怪や怪獣(ペット)を売ってくれる、妖怪みたいなおじいさんの店」の話がある。

その店は、いつの間にか困っている子供の前に現れるそうだ。

そして、子供の悩みを聞いて、それを解決するための怪獣を売ってくれるっていうんだ。

その怪獣は、見た目は犬だったり、猫や、キツネ、鳥、蛇だったり普通のペットなんだけど、中身は怪物で、主人になった子供を助けてくれるらしい。

店主のおじいさんは妖怪みたいに、しわだらけだけど、子供と妖怪と怪獣が大好きなんだって。

そうそう、だけど、妖怪と怪獣の取り扱いには気を付けないといけないようだ、ちゃんと食べ物をあげて、散歩や世話をしてあげて、友達みたいに仲良くならないと、妖怪や怪獣はいつの間にか、おじいさんの店に帰っちゃうんだって。

本当にそんな店があったら僕も妖怪か怪獣を飼いたいって、今思った君。

ぜひ僕らの話を聞いてくれ。

だって、僕らはあの店で妖怪や怪獣を買って、彼らと友達、いや、相棒になったんだから。

これは僕らの物語なんだ。


話を戻そう。

今日の謎クラブの活動がはじまった。

「では、今日の謎クラブを始めます。何か提案がある人いますか?。」

「ハイ。」

僕は手を高く上げた。

「じゃあ、研磨、言ってみて。」

「僕、この前からずっと考えてたんだ。僕らも人の役に立てるんじゃあないかって。この前妖怪達が大地震を止めたでしょ。地震を止めるのは無理かもしれないけど、この謎クラブで何か人の役に立ちたいって。どうかな。」

「研磨の言う事解るな。僕も時々考えるんだ。僕らは僕らの相棒の妖怪に助けてもらって幸せだ、これって独り占めしていいのかな?。」

北斗は自分の相棒の、ハルことハルピュイアに助けてもらった事を思い出しながら発言した。

ー父さんは自動車事故の怪我のせいで仕事が見つからなくて自暴自棄になってた。

母さんも働かなくちゃならなくて、家族がバラバラになってた。

それを、ハルが全部解決してくれたんだ。

ハルピュイアは復讐の怪獣だけど、事故の加害者に反省させて、加害者が父さんの仕事を紹介したんだ。

それに、僕を殴ったチンピラもやっちゃった。ー

(ハルは普段はきれいな声でなく小鳥なんだ。)

「でも、どうやって人の役に立つの?。私達まだ子供なのに、何か出来るのかな。」

クリスは首を少し傾けて尋ねた。

「まずどうやって、誰の依頼を受けるか。どの様な依頼なら受けられるか。その際自分達の相棒の妖怪達の事をおおやけにして、何か問題が起こらないかについても考える必要があると思う。」

学がゆっくりと皆を見渡しながら言った。

議長の聡が

「じゃあ、僕らの謎クラブで人の役にたつ活動をすることには賛成だけれど、どうやってそれをするかについても考えないといけないっていう事でいいかな。じゃあ、まずはじめに、僕らの相棒の妖怪の事をおおやけにしていいか考えよう。誰か意見がある人。」

ちょっと難しい問題だった。

結局、皆の意見は喧々諤々の議論の末にまとまった。

ー喧々諤々ってみんなで自分の意見をはっきり言い合うことだって、学が教えてくれたんだ。ー

決まった事っていうのは、

1.僕らの相棒の妖怪の事をは、まだ秘密にしておくこと。

「今はSNSとかで、関係ない人が好き勝手を言って人を傷つけることが多いから、まだ秘密にしておこう。ただし、助けてあげる人とか、信用できる人には無理して隠さなくてもいいと思うよ。その代わり、口止めはしたほうがいい。」

という聡の意見にみんな納得したんだ。

2.自分たちの周りに困っている人を見つけた時、謎クラブのみんなで話し合って、その人を助けられるか、誰がどうやって助けるのがいいかきめてから人助けをしよう。

「片方の人から見たら、自分が正しくて相手が間違って見えても、相手からみたらそうじゃないこともあるでしょ。ちゃんと調べてからでないと、人助けしたつもりが、他の人の迷惑になってしまうかもしれないわ。」

という、クリスの意見にみな頷いたんだ。

「まだ、僕らは中学生で経験も少ない。出来ることから始めよう、みんなで考えて、協力したら、きっと人の役にたつことができると思うよ。」

という聡の言葉で、謎クラブの会議は終わった。

「よし、困ってる人をみつけるぞ。」

僕はウキウキと家に学校をでた。

家に帰る途中で困っている人に出会うかもしれないからね。

ーあれ?、困ってる人をウキウキしながら探すなんて失礼かな?ー

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