プレイ12:防具屋にて

さて、大きな蝶こと輪廻蝶プシュケを倒した俺は、今現在ユキくんとアップルちゃんと共に街へと戻ってきていた。


.....にしても、相変わらず視線が痛いなぁ。


そりゃあ、【仮面使い】が珍しいのは分かるけど...


「そんなにジロジロ見なくてもいいんだけどな」


ため息を吐きながら、そう呟く俺。


そんな俺に対し、ユキくんとアップルちゃんは


「確かに、その仮面は目立ちますもんね.......」

「しかも、結構派手だから余計に見られますよね....」


慰めるようにそう言った。


「それで......ハチさんは輪廻蝶のアイテムをどうするんですか?」

「どうするって..........特には考えてないけど」


俺がそう言うと、ユキくんの目がキラリと輝いた後


「それじゃあ!!一緒に防具屋に行きませんか!!」


と言った。


防具屋......


「そこに行けば、ドロップアイテムを加工してくれるのか?」

「はい!!掲示板にはそう書いてありました!!」


ユキくんの言葉を聞き、俺はしばらく考えた後......こう言った。


「....それじゃあ、お言葉に甘えようかな?」


すると、その言葉を聞いた二人の顔は明るくなり


「「はい!!」」


と言った。


そんなわけで、俺は二人の案内で防具屋に来たんだけど......


「ほぉ!!中々良い素材じゃねぇか!!」


当の防具屋のおっちゃんは、俺の持って来た輪廻蝶の羽をマジマジと見ながら、興奮気味にそう言っていた。


「そ、そうなのか?」

「そうだとも!!」


あ、そうなのね。


「これなら、いい防具が作れそうだ」


輪廻蝶の羽をジッと見ながら、そう言う防具屋のおっちゃん。


そして


「ちょっと待ってろ」


と言った後、店の奥へ行った。


それから数分後、防具屋のおっちゃんは片手にとある服を持ちながら戻ってきた。


「出来たぞ〜」


そう言った後、俺にその服を手渡すおっちゃん。


その服は、青と紫の色と蝶の羽の模様が特徴のフード付きのローブとズボン、蝶の羽が付いたブーツで、一言で言えば美しい防具だった。


「これ、お金とかは......?」

「金か.......とりあえず5000Gだな」

「5000G.......」


装備の金額を聞き、そう呟いた後、5000Gを手渡す俺。


にしても.......


「あの蝶の羽がこんな風になるとはなぁ......」


確かに、あの羽は綺麗だったけど.....防具になると更に綺麗になったな。


「どうだ?装備してみるか?」

「あ、はい!!してみます!!」


そう言った後、その装備を身に付ける俺。


輪廻蝶の羽から作った装備は、羽だけにとても軽く、空を飛べるかもしれないと錯覚する程だった。


「これ、めちゃくちゃ軽いですね!!」

「そりゃあ、輪廻蝶の羽で作ったからな」


ニカッと笑いながら、そう言う防具屋のおっちゃん。


一方、ユキくんとアップルちゃんはというと


「ハチさん、すっごく似合ってます!!」

「何というか、幻想的な感じがして素敵です!!」


目をキラキラと輝かせながら、そう言った。


「さてさて、スキルの方は.......」


【常世のローブ】

〈概要〉

【MP+20】

【耐久力+30】

〈説明〉

輪廻蝶の羽から作られた防具。

まるで、蝶のように軽やかに動くことが出来る。

〈所有スキル〉

【輪廻転生】

この装備が破壊されても、一定時間経てば復活する。


【常世のズボン】

〈概要〉

【MP+20】

【耐久力+25】

〈説明〉

輪廻蝶の羽から作られた防具。

まるで、羽が付いているようにしなやかに動くことが出来る。

〈所有スキル〉

【輪廻転生】

この装備が破壊されても、一定時間経てば復活する。


【常世のブーツ】

〈概要〉

【MP+20】

【瞬発力+25】

〈説明〉

輪廻蝶の羽から作られた防具。

まるで、風になったかのように早く走れる。

〈所有スキル〉

【輪廻転生】

この装備が破壊されても、一定時間経てば復活する。


破壊されても復活する防具......か。


うん、そっちもそっちでヤバいな。


「.....ハチさん?」

「あ、いや、何でもない」


何はともあれ、防具がゲットできて良かったな。

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