プレイ10:輪廻蝶プシュケ②

『ホロロロロォ!!』


二度もスキルを強奪されたことによって、激怒したのか..........そんな咆哮を上げる大きな蝶。


そして、大きな蝶はスキルを強奪した俺に向けて、再び体当たりを仕掛けた。


「よっと!!」


俺はそれを避けると、【強欲グリード】を発動。


その結果、大きな蝶の体力ゲージは再び減り、俺のHPは回復した。


なるほど、【強欲グリード】で奪えるのはスキルだけじゃないのか。


『ホロロ.....ホロロロロォ!!』


そう叫ぶのと同時に再び風の刃を発生させ、俺に向けて放つ大きな蝶。


だが


「【風の刃エアカッター】!!」


大きな蝶が放った風の刃は、俺が放った風の刃とぶつかり、消滅。

更に、消滅しなかった風の刃が大きな蝶の羽に当たり、大きな蝶は更にダメージを喰らうのだった。


『ホロロロロォォォォォォ!?』


羽へのダメージが想定外だったのか、思わずそう叫ぶ大きな蝶。


しかし.....ボスモンスターなだけに、すぐに態勢を立て直したが


『ホロロォ!?』


突然、大きな蝶の様子がおかしくなっていた。


「..........まさか!?」


あの大きな蝶.....ひょっとして、【悪魔の加護】の影響で呪い状態になってるのか?


そう思いながら、大きな蝶を見ていると....俺の予想を裏付けるように、大きな蝶のHPは徐々に減っていった。


「.......【悪魔の加護】の効果凄すぎだろ」


いやまぁ、確かに【悪魔の加護】の能力がえげつないとは思ったたけど......ジワジワ体力を削るのなら、ありがたいな。


『ホロロロロォォォォ!!』


そんな俺を尻目に、自身に呪いをかけられたことに対し、大きな蝶はますます怒ったのか、俺に向け、小さな蝶々の大群を放った。


その小さな蝶の大群は、まるで水の流れのような滑らか動きで俺に近づいていき


「ぐっ.....!?」


俺は、その蝶の大群の攻撃を受けてしまい、瀕死の状態になるのだった。


『ホロロォ.......』


そんな俺の状態を見て、大きな蝶は好機と見たのか......再び、小さな蝶の大群を放つ準備をしていた。


「.....流石はボスモンスターだな」


そう呟いた後、大きな蝶の攻撃に備え、身構える俺。


そして.....大きな蝶は俺に向けて、再び小さな蝶の大群を放った。


「来た!!」


小さな蝶の大群に対し、俺はそう言うと.....【強欲グリード】を発動し、無数の黒い手でその小さな蝶の大群を掴んだ。


『ホロォ!?』


この展開を想像していなかったのか、驚きの声を上げる大きな蝶。


〈ハチはスキル【強欲グリード】の効果により、輪廻蝶プシュケからスキル【蝶の舞】を強奪、習得しました〉


「さてと......さっきの攻撃のお返しをしなくちゃな」


俺はそう言った後、獲得したスキル.....【蝶の舞】を放った。


『ホロロロロォ!?』


まさか、自身と同じ技で攻撃されると思ってなかったのか、そう叫ぶ大きな蝶。


俺は、残っていたMPを【蝶の舞】に使用することによって、大きな蝶に対して小さな蝶の大群を放ち続けた。


すると.....呪いの効果も相まって、大きな蝶のHPは減っていき


『ホロロロロォォォォォォ!?』


大きな蝶は光の粒子となって消えたのだった。


「やった.....やったぁぁぁぁぁぁ!!」


大きな蝶を倒したことに対し、そう叫ぶ俺。


すると、一気に緊張が解けたのか......俺は、ペタリと地面に座るのだった。


「あ、あははは......俺、やっぱりとんでもないアイテムを手に入れたかもしれないな」


【悪魔の加護】の効果で呪いでジワジワ体力を削り、その上、【強欲グリード】の効果でHP・MP・スキルを奪う.......うん、確実にヤバいな。


.......けど


「何とかなったから、いっか」

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