エンジェルナンバーは2121。

猫野 尻尾

第1話:こんにちは地球。

地球から遠い銀河に「ラブヘブン」って名前の惑星がある。

人類がようやく太陽系の端っこまで探査を広げていた頃、そのラブヘブン

から小型UFOに乗って地球にやって来た女の子がいた。


彼女が何のために地球に来たかと言うとそれは「太陽系のパトロール」

彼女は地球で言うところの天使であり婦人警官でもある。・・・自分の星

ではエンジェルキュートとして活動している。

天使ってのは天界からやって来るものと信じられているが本当は遠い星

からやって来るのだ。


地球ってのは銀河のヘンピな場所にあるのに、やたらエイリアンに侵略される

的になる星のようだ。

だから、彼女は神様の命を受けて地球にやってきた。



すでに地球は多数のエイリアンによって狙われていて世界は混沌としていた。

だが地球にやって来てるエイリアンはストーカーとか痴漢、万引き、窃盗、

学生をカツアゲしてるような、チンピラエイリアンばかりで性根の座った

エイリアンは皆無だった。


実際は地球を侵略しようなんて、そんな大それたことを考えるエイリアンなど

誰一人いなかったのだ。

多少の悪さはしてもみんな平和を装って生きていた。


とりあえず地球に降りた女の子はUFOを林の中に風景と同じに見えるよう

カモフラージュをほどこして隠した。

だから人が近くを通ってもバレないのだ。


たとえば「007 ダイ・アナザー・デイ」 のときのアストンマーティン V12

ヴァンキッシュ みたいに・・・。


さて、地球に来たものの、パトロールったって、たいした目的もない上に

今夜、寝泊まりする場所を探さなきゃいけない。

女の子はしかたなく一軒の家に目をつけて、そこを寝泊まりする場所に決めた。

人が住んでようが、いまいが、おかまいなしに不法侵入した。

天使、エンジェルのくせに・・・。


女の子に忍び込まれた家は家族三人で 父親に母親、そして思春期真っ盛りの

男子がひとり住んでいた。


その男子の名前は一番 朝いちばん はじめと言って ごくごく平凡な現役の高校生男子。

女の子が忍び込んだハジメの家の廊下でふたりは、ぱったり鉢合わせすることに

なった。

ハジメは夜中にトイレに行こうとして廊下を歩いていた。

そしたらバッタリ・・・知らない女の子に遭遇した。


「ん?・・・・君、だれ?」


「あ、こんにちは?お邪魔します・・・お初にお目にかかります」


一応丁寧なご挨拶。


「だから、君、誰?」


その子は肌の色や容姿は地球人と変わらなかったが髪はピンクと金髪のメッシュ

が入っていてツインにした髪は両上でクルッと巻いた状態でまとめられていた。

着てる服は、露出多めの動きやすそうなメタリックのコスチュームを身につけて

いた。


女の子は一応ハジメに自己紹介した。


「私、名前は「メーヴェ」」


「あ、俺の名前は一番 朝いちばん はじめ


メーヴェはエンジェルでパトロールのため地球からかなり遠い惑星から来た

と言うことと、地球へ降りたものの今夜泊まるところがないってことだった。


まあ、エンジェルって言ってもこの地球にはいろんな星からエイリアンが

来てる訳だからメーヴェのことはさほど珍しいことでもなかった。

だからハジメの高校にもエイリアンの学生が何人も通って来ていた。


メーヴェはめちゃ可愛いかったこともあってハジメは鼻の下を伸ばせるだけ

伸ばしていた。

メーヴェの要望を無下にダメだって断る理由もなし・・・。

元来、可愛い子に弱いハジメは、両親の承諾も得ず一も二もなく彼女を

泊めることにした。

ってことで宇宙や地球の均衡を守るため、その日からメーヴェはなしくずし

にハジメんちの居候になった。


ハジメは一人っ子だったため女の子が欲しかったハジメの両親はメーヴェを

疑うこともなく暖かく迎えた。


すいすいことが運んでメーヴェにとってはスムーズな展開だった。


つづく。

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