第2話 ミニライブの成功を目指して
ルミナスシティでの冒険を終えたゆいとリュウは、次なる目標としてミニライブを企画することに決めた。カントリーミュージックが主流のこの世界で、ゆいのJ-POPを広めるためには、小規模なライブから始めるのが最適だと考えたのだ。
「リュウ、もっと多くの人に私の歌を聴いてもらいたいの。ミニライブを開こうと思うんだけど、どこでやるのがいいかな?」
リュウは真剣な表情で考え込む。「街の広場はどうだろう?多くの人が集まるし、見通しも良い。問題は、許可を取ることと、音響設備の準備だな。」
ゆいは頷きながら言った。「そうだね。広場ならたくさんの人に聴いてもらえそう。でも、どうやって許可を取ればいいの?」
リュウは自信ありげに微笑んだ。「それなら俺に任せてくれ。市の役所に行って許可を取ってくるよ。君は準備を進めていてくれ。」
ゆいはリュウの言葉に安心し、ミニライブの準備に取り掛かることにした。彼女は自分の歌やパフォーマンスをさらに磨き上げるために練習を続けた。
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リュウは市の役所に向かい、ミニライブの許可を得るために奔走した。彼は市長に直談判し、ゆいの才能と彼女の歌が街の人々に新たな喜びをもたらすことを熱心に説明した。
「市長、どうか私たちに広場でのライブの許可をください。ゆいの歌は、この街に新しい風を吹き込むはずです。」
市長はリュウの情熱に感心し、しばし考えた後、頷いた。「いいだろう。君たちに広場の使用を許可する。ただし、混乱が起きないようにしっかりと準備するんだ。」
リュウは市長の言葉に感謝し、早速ゆいに報告するために戻った。ゆいはその報告を受け、嬉しそうに微笑んだ。
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ゆいはリュウからの報告を受け、ライブの準備に全力を注ぎ始めた。彼女は自分の歌声を最大限に活かすために、毎日熱心に練習を続けた。リュウも彼女をサポートし、音響設備やステージの設営を手伝った。
「これで音響設備は整ったわね。でも、宣伝はどうするの?」
「街中にポスターを貼るのはどうだ?あと、俺が知り合いに声をかけて、口伝えで広めてもらう。」
リュウはすぐに行動を開始し、街の印刷所でミニライブのポスターを作成した。ポスターには、ゆいの魅力的な写真とライブの日程、場所が記されていた。ゆいもポスターを手に取り、自ら街中に貼り出す作業を手伝った。
「こんなにたくさんの人に会うのは久しぶりだわ。でも、皆が興味を持ってくれるといいな。」
街の広場や商店街、カフェなどにポスターが貼られ、人々の注目を集め始めた。リュウはゆいの熱意に感銘を受け、自分も負けじと知り合いに声をかけてまわった。
「みんな、今度広場で素晴らしいライブがあるんだ。ぜひ見に来てくれ。」
リュウの熱心な勧誘は効果を発揮し、徐々に多くの人々がライブに興味を持ち始めた。
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ライブ当日、広場には多くの人々が集まっていた。リュウとゆいは最終確認を行い、すべての準備が整ったことを確認した。
「リュウ、緊張してきたわ。でも、頑張るわね。」
「大丈夫だ、ゆい。君ならできる。俺たちも応援してる。」
ゆいは深呼吸をして気持ちを落ち着け、ステージに向かった。観客の期待の眼差しが彼女に向けられる中、ゆいはマイクを手に取った。
「皆さん、今日は集まってくれてありがとうございます!私は桜井ゆい、日本から来たアイドルです。今日は皆さんに私の歌を聴いてもらいたいと思います!」
ゆいが歌い始めると、その美しいメロディと力強い歌声が広場に響き渡った。観客は驚きと感動の表情を浮かべ、彼女の歌に魅了された。ゆいのパフォーマンスは、カントリーミュージックしか知らない彼らにとって新鮮で衝撃的だった。
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歌い終えると、広場は大きな拍手と歓声に包まれた。リュウはほっとした表情でゆいに近づき、微笑んだ。
「ゆい、君の歌は本当に素晴らしかった。この街の人々も君のファンになったようだ。」
ゆいはその言葉に勇気をもらい、ますます練習に励んだ。リュウもまた、彼女の成功のために奔走する日々が続いた。二人の努力は少しずつ実を結び始め、ミニライブの成功に向けた準備は順調に進んでいった。
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こうして、桜井ゆいのミニライブは大成功を収めた。彼女の歌は多くの人々の心を掴み、異世界エリシアでの知名度はさらに上昇した。これからも多くの試練が待ち受けているが、ゆいとリュウは一丸となって挑戦を続ける決意を新たにした。
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