一話完結…人の愛情…
アレクサンドル
"辛い時に甘やかすことが出来る、そんな妻です"
創作していたある会話文でいいなと思った夫婦の会話です
※違うとこで投稿してましたが新たにここでも投稿し直しました!!
ーーーー
名前を仮名で夫は
"辛い時に甘やかすことが出来る、そんな妻です"
俺は日頃の仕事、家事、人付き合いのいろいろな辛さが溜まっていた……
家に帰ってきてあまりのストレスにトイレで吐き出したことも多くなり寝れない日や頭痛も酷かった。だが、心配かけないようにと新婚したての清美さんには言い出せなかった……
そして遂には妻の清美さんにも当たり散らすようになっていた……
本当にしんどく、ある夜の日に清美さんと少し言い合いになり思わず外へ出た…
そして、追いかけてきた清美さんに公園の長椅子に座りながら思わずその愚痴を吐き出した。
「……私は………
頼りないですか?」
「え?」
その愚痴について清美さんはこう話した……
「何故、悩んでる、困ってることを私に相談してくれないんですか?あなたにとって私はそれだけ信用ならないってことですか?」
「……………」
「私が………頼りない妻だからですか?」
「」
「確かに私は頼りがないです。ドジもあるし、食事を作るのも下手くそです。まだまだ言い足りないくらいドジが多いです。出会った当初から全然変わってないし…それでまだ……夫婦になりたてです……」
「…………」
「ですが、今は"妻"です。家族のことを支えるのも妻の仕事………あなたが言えないことは詳しくは知りませんし聞きません。私も言えないこともあったりするので……」
「」
「ですが、これだけは言えます……
夫が妻に……
……いえ、人に甘えることは恥ずかしいことですか?」
「!」
「今のあなたは1人で勝手にうなされて、勝手に悩んで、勝手に追い詰められて、勝手に八つ当たりしてます」
「」
「はっきり言って、あなたは凄い人です。お仕事も家事もできて、家族思いの素敵な人です」
「………」
「私…妻のことをとてもよく思ってくれてることも伝わってくるんですから!」
違う
「何度も家族のために動いてくれて…」
違うんだ
「私も見習わなければならないところが沢山あります」
違う違う違う
「そして和宏さんのためなら私は頑張れる」
違うんだよ
「あなたに会えて良かった!」ニコ
「ち……」
「とっ、表面上のことを言いましたが……」
「」
「そんな人でも、ひどく繊細な中身をしているんですよね」
"清美さん"はそう言った。
「はっきり言うとあなたも《そういう人》だと思いました」
「それに、あなたには今、苦悩がある。さっき何故話してくれないのかって言いましたが、それは《私》に話した所でどうしようもない"重い"こと」
「」
「あなたはその重大なことに押しつぶされそうになってる……
私が力になります!
…と言いたいですが分からないのでそれもできません」
「………………」
「だからこそ……
私に甘えちゃってください!!」
「え」
「普通の夫婦の甘え方は分かりません。ですが…」
スッ
「!!」
ギュッ…
その時、この人は俺を抱いた。それは胸の位置に俺の顔を寄せた、母が子にするような抱擁だった。
とても優しい香りがした…
その抱擁は俺に…………
俺は、清美さんのズボンを握っていた。
「あなたが何か辛い時はこうやって寄り添います。そのぐらいしか出来ないけど、力の限り尽くします」
俺を撫でた手は暖かった……
「…………少しは落ち着きましたか?」
スッ
俺はゆっくり離れた
「すみません、落ち着きました」
俺は自然と出た笑顔で返した
「…………良かったです!」
清美さんも笑顔で返してきた
「僕からも1ついいですか?」
「はい」
「確かに今悩んでることを上手く話せませんが…………辛くなったらあなたに甘える、それでもいいですか?」
「…………ふふっ」
「は…」
俺、変なこと言ったか?
「さっきも話した通りです!」
「!」
清美さんは身を乗り出した。
「だとしても、私があなたを支えます。あなたの闇を照らす光になります!」
「」
「だから……何かしらでもいい……少し目を向けるだけでもいい……辛くなれば私のことを考えてください!」
「………はい!」
俺は《この人》のことをまだ分かってなかった……
家族は……夫婦はこういうものなんだな……
その時、俺の曇った視界が少し晴れた気がした。
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