第30話 リアの治癒魔法

「ロランお兄様、お話があります」

 

 ここは執務室。


 俺はダンジョンの攻略に向けての計画を考えていると、リアが扉をノックし執務室の中に入ってくる。

 

「どうした、リア」

 

 俺はそう聞き返してしまう。


 いきなりどうしたんだろうか?


 俺がそう思っていると、リアは口を開く。

 

「私、治癒魔法を覚えたいのですが……どうやっても習得することができなくて」

 

 リアは俺に対してそんな相談をしてくる。


 確か原作だとリアは治癒魔法を使いこなし、回復役として活躍している。


 リアは元々治癒魔法の適正がかなり高く、他の生徒を圧倒する位の成長を見せていた。

 

「俺もあまり治癒魔法は得意じゃないけど、それでもいいか?」

 

 治癒魔法はかなり高度な魔法で、コツを知らないと習得は難しい。


 俺もそこまで得意という訳じゃないが、コツぐらいなら教えてやれない事もない。

 

「はい! ロランお兄様が教えてくれるなら、頑張ります!」

 

 リアは嬉しそうにそう答える。

 

「それじゃあ、庭に行くとするか」

 

 俺がそうリアに提案すると、リアは頷いてくれる。

 

 そして俺は治癒魔法をリアに教えるために、執務室を出るのだった。



「リアはどこまで治癒魔法を勉強した?」

 

 俺はリアにそう質問する。

 

一応ヒールという存在は知っています。でも、それ以上は……」

 

 リアは申し訳なさそうにそう答える。


 本来、治癒魔法は魔法学校の2年生あたりで習う魔法だ。


 独学だと学ぶのに限界があるだろう。


 俺でさえもトン爺から教わったのだ。

 

「まずヒーリングローズっていう花があるんだが、それに魔力を注ぎながら、治癒魔法をイメージするんだ」

 

 俺はリアにそう説明しながら、ヒーリングローズを鞄から取り出す。

 

 ヒーリングローズはその名の通り、傷を癒す効果のある花だ。


 その花に治癒魔法を使っていければ、自然と治癒魔法を取得できるだろう。

 

「は、初めてなので上手くできるか分かりませんが……」

 

 リアはそう言ってヒーリングローズに向かって手をかざす。


 すると、リアの手から優しい光が放たれる。

 

「す、すごい!」

 

 リアは興奮するように、ヒーリングローズの魔力を注ぎ込んでいく。


 やはりリアは治癒魔法と相性が良さそうだ。


 おそらく魔力を注ぎ込むイメージを持っていなかったのだろう。


 ヒーリングローズ以外だと魔力は注ぎ込みづらいからな。


 そう思っているとヒーリングローズは徐々に芽が出て、茎が伸びていく。

 

 その茎の先には可愛らしい桃色の花が咲き、それに感動したのかリアはその花に見惚れている。


 「ロランお兄様! 花が咲きました!」

 

 そう言ってリアは俺の元に駆け寄ってくる。


 リアの微笑みはとても可愛らしく、まるで天使のようだ。

 

「流石はリアだな。この調子でどんどん練習していこう」

 

 俺はそう言ってリアに微笑む。

 

「はい! ダンジョン攻略までに治癒魔法を使えるようになります!」

 

 リアはそう言って、再びヒーリングローズに向かって手を向ける。


 俺はそんなリアを微笑ましく思いながら、リアの治癒魔法を見続けるのだった。


―――



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