第4話 上級魔法《火槍》

「トン爺、今日は何の魔法を学ぶんだ?」

 

 俺がトン爺の所に通い始めて数週間、俺は基礎の魔法なら簡単に使えるようになっていた。

 

 まずは初級魔法から始め、今では中級まで使えるようになっている。

 

「最近のロランの成長スピードには吃驚じゃ。やはり王族はセンスが良いのじゃな」

 

 トン爺に褒められて俺は少し嬉しくなる。


 前世では運動神経も悪かったし、特にこれといった取り柄もなかったからな。

 

「さてと、今日は上級魔法の一番簡単な魔法を教えるとするかのう」

 

「おお! ついに上級魔法が使えるのか!」

 

 上級魔法はかなり難しい魔法であり、魔力のレベルが相当高くないと覚えることの出来ない魔法だ。

 

「今日は火属性の上級、《火槍》を教えようかのお」

 

《火槍》は炎の槍を複数生み出し、敵に向かって放つ上級魔法だ。


 この魔法は魔術師レベルじゃないと使えない結構高度な魔法だ。

 

「それじゃあ、まず感覚を覚えてもらおうのう」

 

「か、感覚?」

 

 そう言ってトン爺は俺の背中に手を当てる。


 すると手の平から何かが背中を通して入り込んでくるのが分かる。


 これは魔力だ、多分トン爺は魔力を注ぎ込んで、俺の体に覚えさせているんだと俺は思う。

 

 そして俺の体の中に何か別の物が入り込む感覚、気持ち悪いが我慢する。

 

「その感覚をしっかりと覚えるのじゃ、そして自分の魔力と合成させよ」

 

「はい」

 

 俺は目を閉じて、魔力と魔力を合成させるイメージをする。

 

 すると体の中にあった何かが消えた。


 どうやら合成できたようだ。

 

 そして俺は魔法名を言う。

 

 《火槍》


  すると俺の目の前に炎の槍が3つ現れた。


 だが形や大きさはバラバラで、とても上級魔法には見えなかったが、トン爺は満足そうだ。

 

「初めてとは思えん出来じゃのう。《火槍》をあんな短時間でも形にするとは」

 

「トン爺の教え方が上手いからだよ」

 

「こればかりはお主のセンスじゃよ。儂はただ魔力の操り方を感覚で教えただけじゃ」

 

 トン爺に褒められた俺は少し嬉しかった。


 前世では褒められる事なんて殆どなかったからな。

 

「よし、次は中級魔法の《ファイアボール》を出してみるんじゃ」

 

「分かりました」

 

《ファイアボール》、これは炎の玉を複数生み出して、敵に放つ魔法だ。

 

 これは中級魔法だが、俺はもう使える。

 

 俺は手の平を上に向けて魔法名を言う。

 

《ファイアボール》

 

 すると俺の周りに複数の火の玉が浮かび上がり、俺の周りを回り始める。

 

「その火の玉にさっきの《火槍》の感覚で魔力を注ぎ込んでみるのじゃ」

 

 俺は言われた通りに火の玉に魔力を注ぐ。


 すると火の玉は一つになり、炎の槍へと姿を変える。

 

「で、出来ました」

 

「うむ、良い出来じゃ。それじゃあちと《火槍》を撃ってみるかのう」

 

「分かりました」

 

 俺は火の槍を投げて壁へとぶち込んでみる。

 

 すると俺が生み出した火槍が壁にぶつかり、爆発して壁を大きく傷つけた。

 

(か、かなり威力が高いな……)

 

 俺は《火槍》の威力に驚いたが、同時にこの魔法には欠点がある事に気が付いた。


 それは魔力の消費が激しいという事だ。


 中級魔法の《ファイアボール》はそこまで魔力の消費は激しくないが、《火槍》はかなり魔力の消費が多い。


 それにコントロールも難しい。

 

 俺は《火槍》の制御をもっと練習する必要があると痛感した。

 

「良き良き、この調子じゃ」

 

 トン爺は嬉しそうに俺の魔法を見ていた。

 

 俺はもっと強くなれる、そんな気がした。



―――



これからも更新頻度あげていきますので、何卒、★とフォローをお願いしますm(__)m




あなたの★、そしてフォローがめちゃめちゃ励みになります!



※目次ページの「フォローする」ボタンを押せばフォローすることごできます。




※また★は、ページ下部にある星マークから行えます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る