異世界を楽しむだけの旅

My.ウ

第1話 異世界転生しますイエイ。

『異世界転生』…、


 そんな言葉を聞いたことはあるだろうか。まあ、あれだ。チート能力ゲットで俺TUEEEEEだ。たぶん。

 現実的に考えてみると、そんなことは必ず起こらない。必ず…。


「でもここはもしかしたらそうなっちゃう場所だよなー…」


 何か喋らないと、落ち着けそうにない。仕方ないじゃないか。ただ広がる、音も響かない、真っ白な空間…。そんな場所にいるのだから。

 どうして自分はこうなったのだろう…?俺は確か、子供を助けて、代わりに車に…!


 ではなく、ただ急にぶっ倒れて意識が消えてって…


「残念ながら、お亡くなりか…」

「それは少し違います」

「!?」


 声が聞こえた方へ振り向く。

 そこには光しかなかった。多分神だな。


「私があなたを殺したのです。そうしないと、転生ができないですから」


 …ん?今、転生と言わなかったか?


「あなたが望むのであれば、蘇生させ、余生を過ごしてもらっても構いません」

「え?あ、いえ。転生?します…」


 自分が言っといてこう思う。本当に転生などできるのだろうか?


「できます。神なので」


 新手のギャグかな?しかし、嘘ではないことはわかる。


「少し実験をしているのですよ。今回の実験の対象として、あなたが選ばれました。なので生きていたあなたを殺して、転生できるようにセッティングさせて頂きました。もっと喜んでもいいんですよ」

「はぁ…」


 なんとなくは理解した。が、意味がわからん。

 まあ、転生できるならいい…のか?


「生前のあなたの記憶をもとに、あなたが好むようなファンタジー系異世界にさせて頂いています。転生してもつまらないなんて、あなた達にとっては、ありえないでしょう?」


 マジかよ。こんな高待遇で転生できんの?神?神か。

 不安も多いが、その分、得がデカい。人生最後の賭けに出てみよう。あ。もう終わってたか…。


「是非!」

「ありがとうございます」


 直後、目の前が真っ白に…って、


(前置きなしかーい)


 なんてことを考えながら、俺は眠りについたのであった…。

         

 せっかくならかっこいい竜人…ドラゴニュートがええな…。

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