第17話 不穏は回避するのですわ
「おそばに置いてもらえる代わり、これからもっともっとアビス様にご協力いたしますわ。例えば、魔界に太陽を呼び戻したいお話とか……」
自分でハンカチを取り出して目とか頬とかを擦りながら、申し出ておく。うう、涙でお化粧がグチャグチャ……ファンタジー美形補正で、そんなに化粧しなくてもソフィアの私って可愛いし、思ってたより情緒が不安定なとこあるっぽいから、これからはあんまり濃い化粧はしなくていいかな……。アビス様ってアウトドアな人だから、ついて行きたいなら動くのに困るような事は避けないと。
「そうか、なら今から共にソル王国王都の方のレオナルド王子から、秘宝を奪いに行こう!」
「えっ!」
「どうした? 家に帰りたくないなら、俺様が全力で守ってやる、恐れることなどない」
いや、アビス様が守ってくれるなら、別に今から行くのは構わないけど、(これだけ二重に変装と阻害をすればバレないだろうし)、多分ゲーム通りなら、アビス様って負けてボコボコにされて再起不能になるのよね。
だからって「負けるから止めた方がいい」なんて言っても流石に信じてもらえないだろうし、っていうか傷つけちゃうし、かといってこのまま送り出すのもなー。
なんか……乙女ゲーマーだった前世の血が、「このまま向かわせるとバッドエンド直行だろ」って言ってるのよね、まずい。ゲームだったら逆に先にバッドっぽい選択肢選んで
なにか、なにか止めるには…………そうだ!
「アビス様。まずは安全な魔界を探ってからでも、遅くないんじゃないでしょうか?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます