彼女のお家
奈美ちゃんは、オレのこと彼氏認定してくれているみたいだけど…どうやらお腹の子の父親としては、認めてもらえていないようだ。
まぁ、仕方ないよね。
まだ付き合って三ヶ月だし、子ども産まれるってだけでも色々大変なんだもんね。
学校は、とりあえず休学になるのかな…
あと二ヶ月…
「奈美ちゃん、オレさ…奈美ちゃんが心配なんだ」
と真剣に伝えた。
すると奈美ちゃんは、
「え?何が?」
とオレを見た。
「その…あと二ヶ月しかないから…」
というと奈美ちゃんは、
「あー、たしかにそうかもだけど…まぁさ、意外となんとかなったりするよね」
と、ケロッとした顔をしていた。
さすが…母は、つよしだ‼︎
…でもさ、少しはオレを頼ってもらいたい…なんて思ってしまうのは、オレのわがままなのだろうか。
「奈美ちゃん…無理してない?」
オレの言葉に奈美ちゃんは、一瞬何かを考えたかのように壁の一点をじっとみた…かと思うと、
「大丈夫だよ〜…。モトカレもいるし、なんなら壮太だっているじゃん?わたし、だいぶ壮太のおかげで変わったんだよ?」
と、微笑んだ。
…
オレはなにもしてない…けどな。
奈美ちゃんの大丈夫は、どこまでが大丈夫なのか…。
そもそも親に言っていない時点ですでに大丈夫じゃない…確定なんだけど…。
今度モトカレさんに、奈美ちゃんのこと詳しく聞いてみたいけど…クラス違うし、なんかモトカレさんって…ギャルっぽくて近寄りがたいんだよな。
そもそも…奈美ちゃんはオレの第一印象だと、かなり大人しくて人見知りって感じだけど…仲良くなると結構話すって感じなんだよね。
二人は、見た目がまったく違うけど…きっと気が合うんだろうな。
そんなギャルのモトカレさんにどうやって聞いたらいいのだろうか…。
てか…奈美ちゃんが嫌がるかな?
なんでわたしに直接聞いてくれないの?って…なるかな?
やっぱりモトカレ目当てなんじゃんってなったら…それは絶対やだな。
オレは奈美ちゃんが大好きで心配なんだから、変な誤解で奈美ちゃんを不安にさせたくは、ない‼︎
やっぱりモトカレさんに聞くのはやめておこう。
…
でも、どうしたらいいかな…
なんか…なんか,,うーん……
あ、一度奈美ちゃんの家にお邪魔してみようかな。
そしたら、なんかいいヒントを得られるかもしれないな。
なので早速オレは今度の休みに奈美ちゃんの家にお邪魔してもいいか聞いてみた。
すると、オッケー‼︎と軽い返事をいただいた。
そして、土曜日
奈美ちゃんが途中までオレを迎えに来てくれた。
奈美ちゃんの家は…御立派でした。
な、なんか…庭がめっちゃ綺麗に整備されております。
「な、奈美ちゃん…」
「なに?」
「お家…大きいね。それにお庭の手入れがとてもお綺麗で。」
と、あっけにとられるオレ。
「あー、家大きいかなー?お庭は、お父さんの
と、あっさりいう奈美ちゃん。
え?
でし⁈
どういうこと?
部下の間違え?
でしも、ぶかも二文字だから奈美ちゃん…言い間違えた?
え?
どうか、あー部下と弟子の言い間違え〜って言って‼︎
早く言い間違えって言ってぇーー‼︎と心で大叫びしたけど…奈美ちゃんが言い間違えたって言うことは、ありませんでした…。
そもそも部下ってのも普通おかしいか…
…
弟子って名前の庭師さんかな⁇
…
でも、お父さんの弟子って言ったよね…
ただの庭師さんだったら、お父さんのってつけないよね…
なんなんだ⁇
…
そして…恐る恐る玄関に向かうとちょうどお父様とお母様がお出かけになるご様子でした。
なのでオレは、お父様とお母様にご挨拶をして顔を上げた。
そして…絶句した…。
お父様…なぜ…そんな真っ黒いサングラスをなさっていらっしゃるの…?
コワイ…そして、ゴツい…。
さらにお母様…めちゃくちゃお派手…
お母様のお眼鏡…なぜレンズが薄い紫なのです?
そして…お眼鏡の横の部分がキラキラしていて…蝶の絵が描かれております…ね。
おとなしい雰囲気の奈美ちゃんからは、想像できないご両親…。
言えないわ…。
こりゃ…妊娠しましたって言ったら…お父様…どうなってしまうのでしょうかね…。
…
コワイ人相のお父様は、サングラスを取り
「ゆっくりしていって」
と、微笑んだ。
コワイ…
強くて怖そうな人がニッコリすると…めっちゃコワイんよ…。
奈美ちゃん宅についてまもないのに、オレはどっと疲れました…。
フルマラソンしたくらい疲れました。
なぜか喉もカラッカラです。
…きっとびっくりしすぎて、いたる毛穴から変な汗が出たからでしょう…。
手汗も半端ない…。
サウナ入ってないけど…サウナ入ったくらい汗出たかもな…。
…
恐るべし…奈美ちゃん宅…
続く。
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