【7話:後編】泳ぐたこさんウインナー
教室の一角に3人が集まり、お弁当を広げた。
私のお弁当はお母さんが作ってくれていて、私の好きなマカロニサラダが入っている。
「えー、
「あ、ありがとう」
「え、もしかして自分で作ってるの?」
「う、うん。りょ……料理が少し得意で」
(
私は彼の細くて長い指を見つめ、包丁さばきを想像した。
「
私は素直に感心して声をかけた。
『
彼の心の声が聞こえてきて、私もその喜びが伝わってきた。
「それにしても、たこさんウインナー、本当に泳いでるみたい!」
「うん、すごく可愛い!」
私は笑顔で答えた。
「よかったら、今度、おかずでも作ってくるよ」
「え!いいの!食べたーい!」
「す、好きなおかず教えて」
「
私は彼の目を見つめながら真剣に考えた。
「な、なんでもいいよ」
『何を作ったら喜んでくれるだろう?』
たこさんウインナーを見ていると、頭の中で想像が膨らんでいく。ウインナーがまるで海の中を泳いでいるように見えて、その光景が頭の中で広がる。海の中には色とりどりの魚たちが泳ぎ、クラゲがふわふわと漂っている。そして、そのクラゲを見ていると、春雨のイメージが浮かんできた。
「うーん……じゃ、じゃあ春雨!が……たべたいな。」
私は微笑みながら答えた。
「わかった!」
『れ、練習しなきゃ』
彼の心の声も伝わってくる。
「楽しみにしてるね」
私は笑顔で答えた。
「か、
「
「え、難しいよ」
と私は答えるが、とっさに
(なにこれ、わからない。)
次に、緑色の四角がピーマンの切り口のように見え、オレンジ色の三角がニンジンのように交わる。頭の中に次々と浮かんでくる謎めいたイメージに、私は無意識に顔を
「わ、
私はそれでもイメージを追いかけるように目を凝らした。だんだんと形が整ってくる。
「これは……麻婆茄子?」
恐る恐る答えると、
「ええ!
「な、なんとなく。ゆ、ゆらさないで。」
私は笑いながら答えた。
「
「ま、まかせて!」
とニコリと笑った。
「ねえ、
「し、したい!」
私は嬉しくてスマホを机の上に出す。
「
と私は少し緊張しながら言った。
「う、うん、ぜひ」
彼の顔には少し照れくさそうな笑みが浮かんでいる。
「え、二人は今まで連絡先交換してなかったの?!」
「うん、なんだかタイミングがなくて……」
私は恥ずかしそうに答えた。顔が少し赤くなるのを感じる。
「よし、これで3人でグループを作ろう!」
こうして、私たちは3人で連絡先を交換し、グループを作った。スマホの画面に表示された
「グループ名、どうしようか」
「今日のお弁当から名前を取って、『泳ぐタコさんウィンナー』にしようよ!」
「え、それ面白い!」
私は笑顔で賛成した。
こうして、私たちは「泳ぐタコさんウィンナー」としてグループを作った。
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次回、8話 霧の中の灯火
激昂する悠真の鋭い視線に、教室の空気が一変。
迫りくる危機に、二人の絆が試される!
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