小夜時雨の約束
ゆきのあめ
プロローグ
外の木々は紅葉が色づき始め、風が葉をさらって舞い上げている。教室内は賑やかで、文化祭特有の興奮と期待感に満ちていた。色とりどりの紙やポスターが散らばり、あちこちで衣装や飾りの準備が進んでいる。生徒たちはお互いに意見を交わし、笑い合いながら作業に励んでいた。
秋の柔らかな陽射しが窓から差し込む教室の一角で、
「
「かわいい!
思わず声が弾んだ。手に取って光にかざすと、輝くその小さな作品に心が躍る。
「でしょー。
その時、教室のドアが勢いよく開き、
「おい、
私はすぐに立ち上がり、
「
「だ、大丈夫……これくらい。任せて」
「ちょっと
「いいんだよ、こいつはもう少し力つけねぇと」
「私たちに手伝えとか言いながら
「
「もー、こんなのになっちゃだめだからね、
「なんだと、
「え、あ、いや、そんなつもりじゃ……」
なぜか
その様子を見ていた
「もう、やめてよ二人とも!面白すぎる!」
(この楽しい幸せな瞬間が永遠に続けばいいのに……)
その光景を見つめながら、私はしみじみと感じた。
(人間不信に陥って、どん底にいた私が、こんなにみんなと仲良くなれたのは、あの時、
私は、ふとあの入学式の日を思い出していた。
その瞬間からすべてが始まったのだと──。
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