元カノに痴漢冤罪のうわさを流され孤立したとき、学校一の美少女に救われました

のんびり

第1話 元カノが痴漢冤罪のデマを拡散していた

 元カノと三日前に破局した。


 破局の直接的理由は、元カノが新しい人を好きになったから。そちらと交際するために、別れてほしいというものだった。もう少し関係を続けたいと思ったものの、彼女の意思を優先させた。


 ボッチ男が廊下を歩いていると、女性たちの冷たい視線を感じる。


「一縷君、元カノに痴漢したんだって・・・・・・」


 女たちは痴漢と決めつけているのか、冷たい視線を向けてくる。


「下劣、卑劣、最低。クズ野郎・・・・・・」


「女の敵。大量破壊兵器」


 痴漢をしていないのに、大量破壊兵器扱いか。世知辛い社会に、心の中ですさまじいため息をついた。  


 元カノは他の男を好きになっただけでなく、痴漢冤罪の噂を周囲に流した。己の利益のためなら、どんなことでもするおぞましい女だ。ろくでなしの女に惚れて、交際したことをおおいに後悔する。


 女たちだけでなく、男たちからも非難の声を浴びせられた。


「痴漢を犯したくせに、のこのこと学校にやってくるな」


「犯罪者は学校ではなく、警察に行くべきだろ」


「そうだそうだ。警察に行きやがれ」


「そんなことをしているから、彼女に捨てられるんだよ」


 大多数で一人をたたく構図は、いじめと似通っている。大勢になると、自分が強くなったように感じるのだろうか。

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