傘下の雪

 銀色の羽がふわりと羽ばたくと、日傘の内側にひらひらと雪が舞った。頰に触れる冷たさが心地良い。思わず「貴女がここに住んでくれてよかった」と呟く私に、雪の精は「いいえ、こちらこそ」と鈴の声で笑う。夏の眠りにつき損ねた彼女を迎えて数ヶ月、今年の盛夏はどうやら快適に過ごせるらしい。

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