148.紅白
「さて、ワシもそろそろお
上位チャット:行かないでー
上位チャット:このままエルフさん家の子になろうー
上位チャット:キョーカちゃんとポジション争い勃発させようー
「なんで、妹ポジなんじゃ!? さっきも言ったが、ワシ、多分年上じゃぞ!」
「帰るのか?」
「エルフの状態は確認できたからの」
「もてなしてないぞ?」
「えらい食わされたんじゃが!?」
上位チャット:草
上位チャット:立ちよった人にご飯を振る舞うのは、もてなすうちに入らないエルフさん
上位チャット:森の隠れ里に住んでそう
上位チャット:ほのぼの交流イベントかな?
上位チャット:何してもてなすつもりだったの?
「ゲームやる」
「あとで勝負するじゃろうが」
「ゲーム機も買ったぞ?」
上位チャット:お、買ったんだ
上位チャット:本体だけ買ってソフト忘れてたってオチが待ってると見た!
「ソフトもあるぞ」
上位チャット:抜かりなかったか
上位チャット:何買ったの?
「全世界で数千万本売れた名作」
上位チャット:そんなの最近あったっけ?
上位チャット:え
上位チャット:ちょw
「安かった」
「いや、そりゃ安かったじゃろうな! それ、大昔のソフトじゃぞ!」
上位チャット:確かに誰でも知ってる名作だけどさw
上位チャット:後継機への移植版じゃなくて、初代そのものを見たのは初めてだわ
「古いのか?」
上位チャット:発売からだいたい四十年経ってます
上位チャット:昨日、幼女とやったスカイハイを作る際に参考にしたゲームだといえば、古さもわかろう
上位チャット:現在のアクションゲームすべての祖といえるソフトだよ
「どうやってテレビに繋ぐんだ?」
上位チャット:聞いて?
上位チャット:たまに人の話を聞かないエルフさん
「三色端子を使うのじゃ。ほれ、ワシのをやろう」
「ありがとう」
「テレビ背面に同じ色の受口があるから、そこに挿すのじゃ」
「ん」
上位チャット:あ、これゲームやる流れだ
上位チャット:大掃除中にうっかり出てきた漫画読み始めるのに似た雰囲気を感じる
「いや、ワシはセッティングしたら帰るからの」
「遊ばないのか?」
「じゃから、あとでたっぷりやるじゃろうが。今はいいわい」
「操作教えて」
「ん、あー……説明書なんてないからのう。まあ、そのくらいならいいじゃろ」
上位チャット:え、説明書ないの?
上位チャット:元々はあるけど、カセット時代だから保存がねぇ
上位チャット:中古屋行っても
「ああ、待つのじゃエルフ。穴の手前五ブロックの位置でジャンプせよ」
「なんか出た」
「残機アップアイテムじゃ。条件はあるのじゃが、エリアごとにひとつ回収できると思っておけば大丈夫なのじゃ」
「わかった」
上位チャット:操作を超えて攻略を解説し始めましたよ
上位チャット:もうダメだ。幼女はエルフさん家の子になってしまうんだ
上位チャット:でも、エルフさんに甘える幼女、見たくない?
上位チャット:見たい
上位チャット:見る
上位チャット:見せて
上位チャット:はよ
「じゃから、なんでワシが妹側なのじゃ!?」
「踏んだのにダメージ受けたぞ」
「エルフもエルフで淡々とゲームを続けるでない!」
「バグ?」
「そいつはそういう敵じゃ!」
上位チャット:またエルフさんが仕様を疑ってるw
上位チャット:トガってるやつはだいたい危険なんだよ、俺みたいにな!
上位チャット:じゃけん、踏まずに燃やしましょうねー
上位チャット:アチチ
上位チャット:幼女がツッコむ姿を見られるのはありがたいけど、時間大丈夫なの?
「時間はそこまで問題ないのう。事務所でプレイするつもりじゃからな」
上位チャット:ちょっと意外
上位チャット:お家帰んないの?
「元々フェスのためにこっちに来とるんじゃよ。今は事務所で寝泊まりしとる」
上位チャット:だから、昨日は事務所で配信してたのか
上位チャット:なるほどね
上位チャット:だったら、何のためにエルフさん家を早く出ようとしたの?
「十時のおやつはコーヒーゼリーとプリンとゼリーとババロアだぞ」
「まだ朝食の消化もできとらんわ!」
上位チャット:あ、理解した
上位チャット:森の隠れ里に挑むのならこの秘薬が必要となろう(胃薬)
上位チャット:ボス戦だったわ
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