剣術が蔓延る世界を魔法で攻略してみた。

@nouarutaka

プロローグ


陽の目が強くなってきた初夏、俺は高校生活を順風満帆に過ごしていた。

いつも通りの生活をして友達と話す。そんな日常が楽しかった。

俺が最近ハマっているのは、MMORPGという、多人数参加型オンラインRPGだ。

そういえば今はイベント開催中なのて、今日はそのゲームを楽しむためにコンビニにエナジードリンクを買いに行った。

コンビニの帰り、少し自転車を飛ばして帰っていた。それに、一刻も早く帰りたいという思いが湧いて、近道の細い路地を通って帰った。

だが路地を出た直後、何かの眩しい光が俺を強く照らした。横を見てみると、中型と思われるトラックが俺に向かって法定速度を超えそうな勢いで走ってきた。自分は為す術なく、トラックに衝突した。

どれくらい飛ばされただろう。顔を上げてみると、5m程先にぶつかったトラックが停まっていた。何故か痛みは無い。だが立ち上がろうとするも足に力が入らない。

しばらくすると、トラックのドアが開き、運転手が血相を変えて「大丈夫か!?」と、尋ねてきた。

必死に声を絞り出したが、口から出たのはトラックのエンジン音で掻き消されるような掠れた声。

そうこうしている内に意識が朦朧としてきた。ここで自分はもう助からないと確信した。


まだやりたい事もたくさんあった。彼女も欲しかった。行きたい国もあった。

だがそれも虚しく俺の意識と共に消えていく。

来世は後悔しない人生を送りたい。


そう思う涼風シュウの人生であった。

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