第13話
あ~~~~~。
ラノベの主人公って羨ましいわ~~~。
転移とか転生した時に、生き物を殺す感覚が鈍くなったりするんでしょ?
気にせずにザシュザシュと切るんでしょ?
無理だわ~。俺には無理。
この先、何度経験しても慣れる事は無さそうだわ。
しかも俺が切って、血が流れ出てるウサギを描くって……どんな苦行だよ。
切る前に描こうとしたら、逃げられるかもしれないからダメだって言われたし。
しかも注意書きで「ここを切れば楽に血抜きが出来る」とかも書かされた。地獄!
「この血が呼び水となって、モンスターや大型獣を呼べるって作戦だよ」
この地獄はまだ序章に過ぎなかった!
俺の地獄はこれからだ! ~Fin~
今日の成果。
ウサギが5羽、蛇が2匹、血の匂いにつられて出てきたモンスター(スライム)が5匹。以上。
つまり絵は3枚だけ。
も、儲からない……。
蛇は2mくらいで、毒の無い種類だった。
巻き付いて絞め殺すらしい。怖い。
首を切り落とせば倒せる。まぁそうだろうね!
スライムは雫型や楕円形ではなく、アメーバ?って感じ。
もっとわかりやすく言えば、移動する水たまり。
人間にはほぼ害が無いらしい。
ほぼってのは、草むらとかで寝てたら、鼻口を塞がれる事があるから。
倒し方は簡単で、よ~く見ると半透明な飴玉みたいなのがあるので、それを引っこ抜くか壊すだけ。
個人的には石で叩いて壊したかったんだけど、一応売れるからって素手で取らされた。
これからこの世界に来る人には、手袋を買う事を推奨します。
精神的に疲れた体を引きずりながら宿に戻る。
借りてた金分は稼げたので、ボブに返さないとなぁ。
あれから会ってないけど、大丈夫かなぁ?
寝る前にステータスも確認しておかないとな。
そう! 思い出した! ステータス!
出す時にさ「ステータスオープン!」って言ってたじゃん?
あれってさ、初めて表示する時に言った言葉で固定されるってビーゼルさんに教えてもらった。
つまり俺はこの先も「ステータスオープン!」って言わなきゃいけない。
ちなみにエイさんは「ステ出ろ」、ビーゼルさんは「ステータスを確認します」だった。
羨ましい……。
これって子供の頃に教えられるらしい。
そして大人から「死ぬまでその言葉を使うから考えて決めなさい」と念を押される事らしい。
俺は一生このまんま。不幸だ。
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名前:林響也(はやしきょうや)
年齢:32歳
職種:イラストレーター
レベル:10
体力:F
魔力:G
耐性:F
運:F
能力:絵(S)
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おおっ、上がってる。
……何で魔力が上がらないんだよぅ!
ゲームみたいに、上げる所を任意で選ばせてくれよ!
う~む、どうしてだろうか?
考察してみよう。……ってするまでもないか。
どうもレベルが上がるまでに、使ってた部分が強化される感じがする。
考え方は筋肉と一緒だ。
ダンベルで鍛えてるのに、走力がつく訳が無い。腕力がつくのだ。
つまり現場まで歩いてるので体力が、殺したり血の匂いで耐性が、敵と出会う事で運が上がる。
じゃあ魔力を上げるには?
憶測が合っていれば、レベルが上がるまでに魔力を消費すればいい。
俺の場合「能力:絵(S)」しかないので、それを発動するのが良いだろう。
永続的にボブへかけたのが効いてれば使ってる事になると思うんだが……。
あっ、あれはお試しだったね。じゃあ無理かも。
AMA○ONでも試し読みを購入してもポイント貰えないもんね。
明日からは何かしらを描いて、具現化しておこう。護衛が良いか?
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