第22話インフィニティブレードとマコトとの再会



「危なかった…やはり…隠していた力があったか。」



「だが…残念だったな。私は心臓が3つあるのだ。わざわざ敵に心臓が2つなどと言うものか。」


指を三本たてて、彼が言う。


「さてとどめをささせて貰うぞ。あの世に送ってやる!」


駄目だ、そう思って俺は目をつぶると、近くで見に覚えのある声がした。


「ファイアーボール!」


「なんだっ? ちっ…くたばりぞこないの村長様かい。邪魔しおって。」


村長が俺を助けてくれたのか。俺はそれを聞いて、立ちあがろうとした。


「…今ので力尽きたか? さてアキラとやら死ねぇい!」


間髪入れずに、敵が俺にとどめを刺そうとしたが、途中で辞め、何かに勘づいたように言う。


「フッ、甘いわ!」


背後を振り返りながら敵が左後方に身を引く。


「ふぅ、見破られました〜。」


ミウがステルスで攻撃した様だ。

魔力感知していたのだと彼が言う。



「行きますぅ〜。」


ミウが敵と争いあうが、敵が合図をする様に手を掲げた後、ゴブリンの群れにミウは呑み込まれた。


くっ…立て俺、頼む少しだけで良い。体持ってくれ!


ミウがゴブリンを倒した後、その死体をブンブン振り回しながら、竜巻のように旋回する。


本当に一万匹倒せたのかもしれないと、ミウの強さに驚嘆した。


「ふふ、中々群れに呑まれても抵抗しますね。良いでしょう! 恐怖しなさい! 私の…襲来のガビーネの変身を見せてあげましょう!」



「3倍にも戦闘力が跳ね上がるのです。最早抗うこともできなくなります。はぁぁぁ!」


ガビーネが変身をし始めて動きが止まった。


「いまだ!」


「天上満ち足りて、明滅に我を照らせ。人と神と魔、全ての力を備えし汝の破壊と創造を司るその力、我代償として魂を汝に賭け、闇を払い、光をも分解する。原子を砕きて、汝の無限の力今ここに解き放て! 

インフィニティブレード!」


「なに? 知らない呪文ですね? ですが無駄なこと、変身は完了…なんだ? その力は!」


「くらえ! 無限の刃だ! 切り裂けぇ!」


俺は敵目掛けてインフィニティブレードを振るって、やつを切り裂いた。


「ギャァー!」


ザビーネの死の咆哮が辺りに響き渡った。

これでレイナも気がついて、村長を回復に来てくれるだろう。


ミウが駆け寄って来て、心配してくれのかと思ったら、怒られてしまった。


そんな技があるなら出し惜しみしないで、すぐ出せと言われた。


俺は、このインフィニティブレードは2分の1の成功確率で失敗すると、MP0になると説明した。

最初だけ成功確率100%だから、あまり使いたくないと言った。


傷口が治っていた。インフィニティブレードを発動させると、体も回復するって言うのは、かなりのメリットだな。


村長は無事レイナが回復した。この村に平和が戻ったのだ。


ただ、ゴブリンの襲撃で村は、半壊していた。


俺は、村の人々に謝った。


貴方が謝ることではないと温かい声を頂いた後、何かあれば連絡してくれと伝え、報酬は貰わないと伝える。


それは、村の損害が見るも明らかだから。倒壊家屋を見ると、報酬なんて貰えない。


村人の人々が悲しそうな表情を浮かべていた。

涙を流した村民もいた。


俺はその表情を見ると、胸に痛みが走りこれ以上見たくないと仲間に告げ、すぐにこの村を立とうと言った。


最後にこの村の名前を聞いた。


アーデン村、聖なる森と言う意味があるらしい。


村長に報酬の金は村人の為に使って欲しいと、最後に言い、村長は凄く感謝してくれた。



俺達はギルドに戻り、報酬の件を伝えた。

ミウは出禁なので置いて来た。


するとギルドの受付嬢のお姉さんが、目を輝かせて言う。


「貴方方またやりましたね! 今度は魔族の幹部を倒すなんて。」


自動的に倒したりすると、ギルドに即伝わる魔法のシステムがあるらしい。


便利な異世界だなと思った。



なんと報酬が別格に良かった。新築の自宅と一億ゼノを貰えると言われた。


1億ゼノこんな大金欲しいけど…俺は村長と村の背景が頭に浮かび、このお金はアーデン村に寄付してくれと、ギルドのお姉さんに伝えた。


「カノン、レイナごめん…俺受け取れない。」


2人に謝ると、頭を上げて、あんた偉いと言われた。


「自宅は貰いますからね。」

レイナがウインクして言った。


それを聞いていた周りの人たちが拍手をしだした。


その中の拍手をした1人はクラスメイトだった。


「偉いな、アキラ。さすがだよ親友。」


彼はマコト。黒髪の美少年だ。

そして俺の初恋の弟でもある。


初恋の人はもうこの世にいないが。彼はとても正義感が強くて…いや強すぎると言って良いだろう。


彼の姉を守れなかった負い目と、彼の強すぎる正義感が、パーティを組んだら揉めると思い、彼を誘えなかった。


だけど、1番の親友である事に変わりはない。


…なんだ、マコトから凄い血の匂いがする。

自分で血を流したから、すぐ分かった。


魔物を激しく狩ってるんだろうか?


俺はマコトに彼の姉の事を謝った。


「君のせいじゃない。悪党のやつが悪い…もう死んでるが。それにアキラは彼女作ってないんだろ? 充分苦しんだと思う、気にしないで。」


マコトの優しい言葉に俺は救われた。



そしてみんなと会話を終えて俺は自宅に向かい、そこでくつろぎつつ、ギルドの仕事を張り切ってやっていった。

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