第21話決死の反撃
俺は仲間とこの危機をどう乗り越えるか、話し合いをすることにしたが、厳しいと俺は告げる。
「10万匹か…流石にこのゴブリンの数は無理だ。」
嘆いて彼女達の提案を待った。すぐに考えが浮かんで来なかったからだ。
「いえ、私たち4人が力を合わせれば、勝てますぅ〜。私が一万匹のゴブリン倒すので、アキラは9万匹お願いしますん。」
ミウの無謀な言い草に俺は、即座に否定するように言う。
「おい、冗談言ってる場合かー! 住民守りながらは無理だ。」
「住民なら、カノンとレイナが保護しますぅ〜。なので残りお願いしますん。」
無茶苦茶だ。全くこいつは。
無理だって言っても取り合わない、まるでミウは親会社だと言った。
「ここは異世界ですよ? そんなのはないですぅ。」
「知らねーよ! ならスライムに勇者倒せって言ってる、魔王だろ?」
「魔王ですか? この際降伏しますか?」
村人がぽつりと呟く。
その一言で周囲が重苦しい雰囲気に包まれた。
あ…いや、無理だろ…降伏なんてしても聞き入れないだろうし、この場に魔王はいない。
一瞬間の静寂を破るようにレイナがこの状況を打破する策を話した。
「まずはカノンに、村にゴブリンが侵入出来ないよう、火の魔法で囲って貰いましょう。」
そして召喚者を探して、そいつを倒す。そうすればゴブリンは消える可能性が高いとレイナは言う。
可能性の問題で実際消えるかどうかは、断言できないが、消えないとすると、純粋に強すぎる。それは、国ですら簡単に滅ぼせると予測した。
召喚者が近くにいないと消える可能性があり、そしてそれが、召喚者の自分を倒されるリスクがある為、完全無欠ではないから国を滅ぼしたり、脅したりしないのではないかと、分析した。
「やっぱりレイナは頼りになりますぅ。誰かと違って。」
「確かに…ミウと違って…いてーな!」
ミウが俺のほっぺをつねる。
「暴力反対!」
俺はこの重苦しい雰囲気が少し晴れていくミウに、言葉とは裏腹に感謝していた。
もちろんレイナには謝意を示した。
カノンが私に全部任せてと言って、炎の柱を村の周りに作り、敵の魔力を感知して、そこに攻撃をかけると言った。
村長から、脱出口に村民を非難させる。貴方達も、時間を稼いでくれれば後から脱出して下さいと言われた。
それにしてもカノンの強さは、本物だ。予想以上に強過ぎる。10万のゴブリンを押さえ込んで、尚且つ感知して魔法で攻撃出来るなんて。
ゴブリンが立ち止まったまま、カノンが感知が終わったと告げた。
そして手を伸ばしフレイムアロー! と叫んで、火の矢を放った。
決まった! 心臓に命中。
カノンがガッツポーズを決め、それを見た皆が安堵した。
しかしゴブリンは消えず、全員の落胆の表情が見えた。
「おかしいわね? 感知してみたら、まだ魔力を感じる…生きてるのかも?」
カノンが首を傾げて言う。
やむを得ず、カノンに時間を稼いで貰った。
彼女の疲れが目に見えるように、額から汗が出ていた。
俺達は村民が脱出したと村長から知らせを確認後、俺たちもそこに向かった。
「私は残ります。この村の最後を見届けねばなりません。」
「村長ー! 駄目だ、頼むよ…一緒に逃げよう。」
「申し訳ない。貴方様に村民の事はお願いします。」
「村長…ちっくしょー!」
しばらくして、村長の声が聞こえた。
「すみません、ゴブリンが消えていました。」
なんだよ、時間差か。良かった村長死なないでいてくれて。
安堵のため息が周りから聞こえた。
俺は嗚咽した。良かった本当に。
「すみませんアキラ様、確認の為上がってきて外の様子を一緒に見てもらえませんか?」
アキラ様? 俺名前名乗ったっけ?
さっき貴方様って言ってなかった?
…宿屋の人に聞いたのか、ギルドから聞いたのか。さすが村長名前まで覚えてくれるとは。
「分かりました。みんなはここにいてくれ。まだ消えてないゴブリンもいるかもしれない。」
「すぐ戻ってくるですぅ。」
「そんな寂しがるなよ。」
「違いますん。」
違う? 違和感を感じながらも、すぐ戻るよと伝えた。
脱出口から梯子を渡って、村に戻った。
そして部屋を村長と一緒に出ると、そこには大量のゴブリンと…村長が倒れていた。
グサっ…背後から痛みを感じた。
「ふふ、こうも簡単に引っかかっるとはな。」
「なっ? お前は?」
「フッ、変身魔法さ。村長に化けていたのさ。
本物なら、そこでおねんねしてるよ。」
ちっくしょう、騙されたのか…違和感には気づいていたのに…悔しさと後悔が込み上げてくる。
だが俺はやられてばかりじゃない。やつをはめてやる。
「そんな? お前は死んだはずじゃ?」
「フッフッ、心臓私は2つあるのさ。片方やられても死なんよ?」
やられた…そうか死んでないからゴブリンは消えなかったのか。
だが間抜けめ、お前の顔は俺は知らないんだ。
つまりこいつを倒せばゴブリンは消えるな。
「ふふ、ゴブリンにやらせるより自らの手でやりたがるのが私の悪い癖でね。」
良し…だがこの体が言うことをきかない。
「さてお喋りはここまでだ…お前に変身させてもらって残りの村人を始末する。」
「そうは…させない。」
「ふっ、我らが魔族に逆らう愚かな者よ。
そうそう、私はアルバートから聞いてるよ。アキラパーティに手を出すなと言われたが、そんな約束知らぬわ。」
「しかしこうもあっさりと…天才だ素晴らしい。さぁ死ぬがいい!」
モノマネ…時止めだ!
ここでこいつをやる。うぉー!
俺は時止めで、血だらけの身体でなんとか立ち上がり、やつのもう片方の心臓を狙って倒れるように刺した。
そして俺は…意識が薄れていくのを感じた。
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