20240622-2

 息子のランドセルを買いに行った。

 セイバン神戸ハーバーランドには数ヶ月前に行ったことがあり、その時息子が選んだのはモデルロイヤルドラグーンであった。

 モデルロイヤルドラグーン。その名の通り竜騎士がモチーフであり、竜と剣のエンブレムが描かれた幼児心くすぐるデザインである。

 夫は「ぶっちゃけ六年間持つには幼稚なデザインではないだろうか」と心配、オロビアンコをすすめてみるも息子はまるで興味なし。モデルロイヤルドラグーンしか見ていない。モデルロイヤルドラグーンに夢中。

 帰宅してからも、テレビCMが流れると「おれこれがいい!」とモデルロイヤルドラグーンを指してキャッキャするものだから、私も夫も「息子本人が決めたものが一番」とモデルロイヤルドラグーンに腹を決めた。

 セイバンは予約優先制である。先に昼食をとろう、とフードコートに行き、息子にオムライスを食べさせている時だった。


「やっぱり、りゅうきしやめる」

「はっ?」


 いきなりのモデルロイヤルドラグーン拒否宣言であった。なぜ。どうして。あんなにモデルロイヤルドラグーンがいいと言っていたのに。

 まあええか。

 結局、息子が選んだのは、スゴピカという反射板が多めに入ったスタイリッシュなデザインであった。ちょっとサイバーパンクっぽい。息子の名前はブレードランナーから拝借したのでその影響が出たのだろうか。

 届くのは十一月下旬だという。店の前でスゴ光を背負ってチェキをパチリ。他人にカメラを向けられると緊張してしまうのだろう、息子はド下手くそな笑顔になったが、これでも可愛い可愛いと褒めそやすので親という生き物は単純である。

 あとは机やら何やら、買わねばならぬものは沢山ある。いよいよ来年は小学生の親になるのかと思うと不思議な感覚だ。息子を産んでもうすぐ六年。早いものである。

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