第2話負けIX成橋心湊と、勝利と行間の想いⅠ
負けヒロイン請負人を長くやっていると見るに堪えない子を見る事がある。
それがこの子、
この子は、本当に居た堪れない。
作品的に。一応メインヒロインの一人だが。
後から出て来た、主人公を好きなヒロインに出番を喰われてしまっている。
しかし彼もとい、主人公。
これは良くない。そこアタシの神への挑戦の
一つ言って置くとするならアタシは、
別に負けヒロインに
不幸になって欲しい訳じゃない。
寧ろ幸せになって欲しいと思うので、
さぁショータイムだ。
♡
「監督!!」
「何だい負田くん?」
「このマンガのヒロインで誰が一番可愛いと思います?」
「えー急だね」
「私は、
断然負けヒ⋯⋯⋯成橋心湊を推します!!」
「ボクは、
「やっぱりですか⋯⋯⋯」
「嗚呼そうだ、これ」
「なんですか?これ?」
監督に渡されたのは、原稿だった。表紙にデカデカと【初稿】だけ書いてある、何これ?
「さっき出来上がったばかりの原作者の
「マジですか?こんな事って今まで生きてきた中でないんですが!?」
「監督は、目を通したんですか?」
「見てないよ」
「じゃあよろしくまたね」
「あ、はい」
原稿に目を通す、普段は活字を読まないが。
じっくり読んでみよう。それとなく脚本に難癖を付けるつもりだったが、
監督の事だ、それを見越しての事だろう。
どんな小説かな?
♡
もしもシリーズ心湊ルート
卓真と心湊付き合ったら
あの入学式の日私は、小さい頃に結婚の約束をした少年と再会した。しかし彼の隣は、誰か居て私の事も覚えてないようだった。
だが今日わたしの18歳の誕生日の卒業式の日告白する!!
「山田くんちょっといいかな?」
「ん?何だ?」
「最後だからさ
言っておきたい事があって⋯⋯⋯」
「二人きりになれないかな?」
「?いいけど」
「じゃあ卒業式が終わったら中庭の桜の木近くのベンチで待ってるから」
「嗚呼」
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