時間からのハゲ
「なんと、いったいこの星はどうしたことだ……」
「文明のあった
にごった
そして一時間ほどそうしていたとき、彼は鋼鉄の
「ご老人、この星はすっかり荒廃しているようだが、すぐれた文明があったようだ。いったい、何があったというんです?」
ボロボロの宇宙服を着た老人は、ハゲ頭を揺らしながらおもむろに話し出した。
「……ここは、銀河連邦の
「な、なんと……」
「お前さんが時空探査のためここを出たあと、知的生命体の
「……」
「やつらはおそるべき兵器を使い。たちどころにこの星を
「その、兵器とは……」
「これじゃ……」
老人はかたわらから、一冊の
「これは――」
「エロ本じゃ。やつらはこれを大量に
老人は自分の頭を指して苦笑した。
「じゃが、お前さんなら、何とかできるかもしれん。時空探査の技術を使い、過去に戻って、このおそろしい事実を書き変えてくれんか?」
「しかし、いったいどうすれば……」
「これを使うのじゃ」
老人は別の本を取り出した。
「これは……」
「BLマンガじゃ。タイムリープしてその知的生命体の
「なるほど。しかしそれは、たいへん危険な任務になるでしょう」
「わかっておる。じゃが、お前さんにしかできんことじゃ。どうじゃ、やってくれんかの?」
「……わたしも銀河連邦のはしくれ……ぜひ、やらせてください……!」
「そうか……では、これを……」
「はっ!」
大佐はうやうやしく老人に敬礼した。
「頼んだぞ……」
こうして大佐はタイムリープの旅へと出た。
「……しかしあの老人は、わたしのことをどこか知っているような感じがあった……いったい、何者だったのだろう……」
「こうなってはならんぞ、若き日のわしよ……」
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