不完全体 

@Banana42345

第1話〜シャーデリス家の消失〜

?「ねぇねぇ。なんのお花なの?」

あの一時の時間が恋しかった。悠長で気楽でいられる一時が…

?「これはですね。イノコヅチというお花ですよ。可愛いと思って、触ってしまうと衣服などに引っ付いてしまうので、お気をつけください。」

この時だけ、俺は俺でいられた気がした。この時間がいつまでも続いていれば、よかったと思うように…。

?「今日もSchlaf gut.(良い眠りを)」


1997年7月24日7:12

-「昨夕、成人女性が電車に跳ねられたという事故が起こりました。目撃者の話しによ……………性は………子…………庇………………亡………」-


俺は裕福な家庭に生まれ、小さい頃から成績優秀で両親や弟から父親の社会を継ぐ予定であった。

2012年12月2日17:36

俺「泊まっていってもいいか?」

俺は週に1,2回知り合いのダンのところに泊まっている。今日も泊まりたいので、尋ねた。

ダン「いいけど、大丈夫?」

俺「ああ。」

一度リセットしておいた方がいいだろう。

2012年12月3日11:45

俺「今日もありがとな。」

ダン「ああ、お礼をいわれる義理はないよ。」

俺は正午前にダンの家を出て、帰宅していた。帰ってる途中に右腕に何かの植物が引っ付いていたので、振り払った。どこでついたんだ?そう疑問に思いながら、俺の帰宅すると、両親が玄関口の前で怒って待っていた。

父「昨日はなんで帰ってこなかった!?ピアノの先生は困っていたぞ!!」

そんなことで怒るのか?じゃあ、証明してやるよ。

俺「父さん、母さん。説明するから、来てくれ。」

俺は両親を連れて、ピアノの置いてある部屋へと向かった。俺は昨日、ピアノの先生が教えてくれるはずだったプロのピアニストでも弾くのが難しいと言われている曲をミスなく披露してみせた。

俺「これ以上言うことはあるか?次も俺を完璧に近づけるものを探してよ。」

父さんはこれでもダメかという顔をして返事をした。

父「ああ…。」

俺は部屋を出て、自分の部屋と向いながら、これからについて考えていた。俺を完璧(凡人)にする(戻す)ためのに。与えられたことだけをこなしていく。すると、後方から弟の気配を察し、振り返った。

ジョン「兄さん。今日もすごかったよ。」

隙のない顔だ。

俺「聴いていたのか?」

俺は質問をする。

ジョン「うん。あれは僕もすぐに弾けちゃうから、時間の無駄でやる価値などないね。だから、僕が兄さんがおもしろいと思うこたを教えてあげるよ。」

何かを企んでいることはわかっている。だか、話題に目を引っ張られた俺は弟に呑み込まれそうになる。

俺「…」

それは警戒心が強すぎる。実の血の繋がった弟だ。聞いてやろう。でも、聞いてやりたいが、離れていてはいけない俺がいる。

ジョン「じゃあ、始めるよ。兄さん。手を出して。」

俺は弟の言う通りに手を差し出した。

12月3日12:21

母「兄ちゃんと何を話していたの?」

私は見てしまった。ブレットと彼女の会話を…。

ジョン「見ていたんだね。僕は兄さんの人生を大きく変えることになるきっかけになるだけだよ。」

母「え?!本当に!?」

あのブレットを。何を押しつけても完璧にこなしてしまうブレットを変えるきっかけを…

母「じゃあ、楽しみに待っているわよ。」

ジョン「うん。でも、兄さんが本当に使えなくなったら、僕が兄さんの代わりになるからね。」

その時は頼むわよ。

12月12日9:56

トーマス「ブレット、手が止まってるぞー。レポート、終わんねーぞー?その手の傷はどうしたんだ?」

席に座っていた俺に友人であるトーマスが話しかけてきた。いや、実際にはあっちの方が勝手に友人といっているだけであるが…。

俺「自宅でかすり傷をつくっただけだ。気にすることではない。」

こんな傷が俺に悪影響を及ばすものではない。数週間で完璧に元通りになるものだ。

トーマス「そうか?俺はブレットが怪我をしているところを一度も見たことがないが。家族で言い争いとかなんかの事件に巻き込まれたとか、あるんじゃないか?俺に相談してもいいだぞ?」

何をいっているのかがわからない。完璧である俺に相談する必要などない。

俺「必要ない。」

トーマス「さすが完璧超人さん。でも、本当に辛くなったら、言えよ。」

俺「ああ……。本当は……」

今、いってしまうと崩壊してしまう。

トーマス「なんかいったか?」

思ってもないことを言うな。俺。

俺「なんでもない。」

俺はすぐにレポートを終わらせた。

12月12日17:12

大学が終わり、帰宅した。玄関を入ってすぐにジョンと会った。

ジョン「兄さん、大学で何か言われたね?気にすることではないから記憶から抹消しておいてね。」

ああ、そうだ。いらない記憶だ。でも、必要な言葉であることを俺は知ることになる。

ジョン「兄さん、あの程度の下僕が僕たちに届くものなんてないよ。気にした瞬間から王者は下されるよ。でも、兄さんならまだ戻れるから、抹消をしておこうね。」

そう。その通り。俺は王者だ。ジョンの言う通り、俺ならまだ戻れる。

俺「ああ。」

ジョンはそう告げると部屋へと戻っていった。その直後、何者かが覗いている気がした。

俺「何をしているんだ?」

その後、直後何者かは逃げ出した。姿は見えなかったが、だいたい予想はついた。最初から最後までは聞かれていたな。まずいことではない。動き出すまで放置しておこう。

12月15日13:09

玄関の階段で座っていると父さんが話しかけてきた。あのときのは父さんだったのか?

父「3日前(12日)の夕方、ジョンと話したことについてをきかせてくれないか?」

使用人が多い。消してくれれば、手間が省けるのだが…。

俺「ああ。でも、場所が悪い。」

父さんは指示を出し始めた。

父「わかった。使用人を退かそう。」

使用人が全員、離れたところで、俺はあのときのことを話し始めた。

俺「俺はジョンから、一度もやったことがないことについてを教えてもらった。俺はそれを実行しようと思っている。手伝ってくれないか?」

父さんは驚き少し躊躇った仕草をしていたが、数秒経ち、決断が出た。

父「ああ、いいだろう。必要なものがあれば、言ってくれ。用意をする。」

これでパーツが揃った。さぁ、実行の時間だ。一度も失敗したことがない完璧に考えて込んだ俺のシナリオを実現させてみよう。

12時16日10:10

ジョン「父さんが体調不良らしいとフランチェス(使用人)から聞いたよ。裏山からこの写真の花を採ってきてくれないかな?」

使用人B「はい。承知いたしました。」

所詮、ご主人様の命令しかきかない雌豚共が役に立ち、被せられるのが、無様過ぎて笑えてくれるね。

使用人C「ねぇねぇ、メイアちゃん。ジョン様からお仕事を頼まれたのよね?私と代わってくれないかしら?」

なぜ代かる必要があるのか。それは単純にジョン様の命令をこなしたいだけだからである。

使用人B「わかったわ。だけど、なるべく早く帰ってくることと、ついたら私に渡してちょうだい。わかった?」

この判断が大きな分かれ道の1つだったことに気づかなかった私はこの先も悔しみ続けるだろう。

使用人C「はーい。」

12時16日15:01

警察が到着した。

俺「こちらです。」

俺は警察を俺たちの所持する裏山のある地点へと案内した。」

数分歩き、到着した。

俺「到着しました。」

警察「これはこれは、見た感じだと自殺かな?死亡解剖しないとわからないけどな。」

俺は悲しい感情もない寂しい感情とかもない。ただ単に普段の暮らしと同じ感情であった。

12時17日8:37

-「先日、シャーデリス家のもつデリエ山で家主のリック・シャーデリスさんが自殺していたところを発見しました。」-

と、いうニュースが流れてきたところで玄関のベルがなった。使用人が出ると、俺は「代われ」といい代わった。

警察「先日もお伺いしましたが、使用人及びシャーデリス一家の事情聴取をしたいのですが。」

俺には害のないことだ。

俺「どうぞ。御入りください。」

警察「ご協力感謝します。」

使用人及び俺らの事情聴取がはじまった。

12月17日14:56

全員の事情聴取が終わった頃、俺は弟に呼び出された。

ジョン「やぁ、兄さん。気分はどうだい?僕は最高な気分だね。それより、今回はフランチェスが主犯でトメリスが共犯の殺人事件で終わるよ。警察は昨日の時点で気づかないとか終わってるね。兄さん。」

俺「ああ、そうだな。フランチェス……なぜ…」

俺なら他のやつを真っ先に出すが、なぜ弟はそうしたのか…。

ジョン「そんなの簡単だよ。所詮は雌豚であることは代わりないからね。」

昔はこんな奴ではなかった…。いつから代わってしまったのだろうか。

12月18日11:04

-「リック・シャーデリス殺人の犯人が捕まりました。使用人のサラ・フランチェス容疑者(22歳)とアルカ・トメリス容疑者(21歳)です。」-

トーマスは俺のところに向かって飛びついてきた。

トーマス「おいおい、見ろよ。おまえの父親殺したのは、おまえのところの使用人2人だぞ!?」

そんなことは今はどうでもいい。誰が死のうとも誰が罪を犯そうとも俺には関係ない。

俺「ああ。そうだな。」

トーマスは引いていない。むしろ突っ込んできている。話題を変換させる方がいい。

トーマス「少しは悲しい顔とかしろよー。使用人さんが父親を殺して少しあー思ったとかこう思ったとかねーのかよ?」

俺には無表情でいる気がしていたが、どんな顔をしていたのか…。トーマスは何かに驚いた仕草を一瞬見せた。

トーマス「なーなぁ。ブレットさんよ。どんな気持ちでいるかは知らんが、少………」

トーマスは何かを見て、少し驚いて怖がっている感じがした。

俺「すまない。俺はもう帰る(変える)。」

彼との最後の約束(別れ)の時間だ。向かわなければならない。どうしてかこのときの俺には話題変換ができなかった。

トーマス「ああ、また……な。」

これが最後の友人との時間だった。

12月18日16:24

俺「きたぞ。」

俺は自宅の庭園に着いた。

ジョン「時間通りだね。流石は完璧である兄さんだよ。」

ジョンは両手を後ろで組んでいた。まるでどこかのスターのボディカードのように。

俺「ジョン…、両手を見せろ。」

ナイフか銃か…。銃だな。影と体形的に小型のもの。

ジョン「いや。これは今の兄さんには関係ないことだよ。そろそろ着くころなんじゃないかな?」

着く頃?何のだ?俺への報いか?弟を疑っていた俺への?すると、そこには扉を開いた状態のトラックがバックしながら、入ってきた。

俺「!?」

その扉の中には紐で吊らされていたトーマスの姿があった。

ジョン「兄さんは完璧には慣れなかったんだね。父さんのときには確信はついていたのだけど、兄弟だからチャンスを与えようとしたのだけどなー。」

大学が終わったのは15:10頃。俺と途中まで帰宅し、別れたのが15:39。約25分間を狙ったのか。

俺「関係のない者は巻き込むなと、俺はあのときに言ったぞ!!弟!!」

そう。手を差し出したときに、条件として、いったはず…。

ジョン「何をいっているだい?私は兄さんを完璧させない者は排除するといったはずだよ?」

一人称が変わった。やはり…

ジョン「ふふ。兄さん。私はあなた様を完璧にする。なので、人格を1つ破壊しなければならない。だから、死んで。」

弟は後ろで組んでいた手を、拳銃を向けてきた。その瞬間何かが消えたような気がした。これが死か。俺は避けようもない配置だ。俺だからいえる。弟は外さない。なんで気づいてやれなかったのだろう。本当に辛いのは俺ではなけ、ジョンだったことを…。1番辛い思いで暮らしていたのはジョンだったってことを…。俺はなんて馬鹿な兄なんだろうか。

俺「撃て。」

俺はその言葉を放ち、目を瞑った。

バーン!

静寂な庭園に銃声が鳴り響いた。すると、目の前にあったのは花壇に倒れ込んでいた弟…いやジョンの姿だった。

俺「何を…して……?」

俺を撃ったんじゃないのか!?なぜジョンが撃たれている!?俺が目を瞑っていたときに何があった!?冷静になれ!!幸い急所は外れている。救急車を呼べば、どうにか……。応急処置が必要だ。今の銃声で使用人数人が様子を見に向かってきている。治療キットと救急車を呼んでもらえれば、助かる。

ジョン「兄さん……」

その瞬間、俺の瞳から何かが溢れ出してきた。

俺「喋るな。安静してろ。今、助けてあげるからな。」

出血も酷いわけでもない。

ジョン「俺はもう救からないんだよ…兄…さん。だから……無駄なことは…やめてくれ…」

無駄ではないから…もう喋らないでく……。俺は一瞬、あの一時…いや今までのことを全て思い出した。助かるじゃ、すまない。でも、「助かる」ことだけでもいい。兄というところを見せてやらねばならない。その瞬間、俺の何かが壊れた。

俺「Schlaf gut.」

1997年7月23日16:24

ジョン「電車!電車!」

あの頃の俺はまだ物心がついたばっかりだった。

ルイサ「はい。そうですね。」

満面の笑みだ。

ジョン「なんか光ってる!」

踏み切りの音が鳴り始めた。

ルイサ「ジョン様。そろそろ、電車が来ますよ。」

それだけ電車を見ることが嬉しかったのだろう。

ジョン「電車!電車!見る!」

カンカンカンカン

俺はあまりにの嬉しさに走り出してしまった。不幸なことにはルイサが目を離した一瞬の時に………

カンカンカンカン

ルイサ「ジョン様!!」

俺は踏み切り内に入っていた。悪魔がもうすぐそこにいた。

カンカンカンカン

キーーーー!ドンっ!!

その後、俺の見た景色は壮絶のないものだった。

ジョン「ルイサ?どこ?」

俺はルイサを探し回っていた。踏み切りから遠くにまで飛ばされていたルイサを見つけた。

ジョン「ルイサ!お家帰ろ!」

ルイサは反応しない。

ジョン「ねぇー!ルイサ!」

また反応しない。撥ねられた瞬間から即死していた。何をいっても反応しない。いやもう反応できないのだ。

ジョン「ルイサ?」

俺は涙目になった。

ジョン「お家帰ろ?」

俺は泣き崩れた。数分経つと俺は長い長い眠りについてしまったのである。

2012年12月18日16:31

ルイサ。君は俺を殺す選択をとったんだな。

ジョン・シャーデリス死亡

気づいたときには俺の右腕はジョンの腹を貫いていた。

俺「なぜだ?どうしてだ?」

俺はどうしてそうしたのかがわからない。

使用人「どうかしましたか?ブレット様……」

こちらに向かってきていた使用人が死んだ弟と血に染まっていた俺を見て叫んだ。

使用人「キャーーーー」

その瞬間、俺は何故か身体が勝手に銃を拾い、銃弾が使用人の頭を貫いた。すると、こちらに誰かがまたくる。お願いだ。来ないでくれ。身体が勝手に動いてしまうんだ。だから、お願いだから来ないでくれ。

母「ルイサ。戻ってきてくれたのね。しかも、私が置いておいたサイレンサー付きので。偉いわよ。でもなんでさっきはサイレンサーの付いてないもので撃ったのかしら?」

向かってきていたのは母さんだった。でもこれで全てが繋がった。彼女はジョンの中に潜んでいた。恐らく、あの人身事故からジョンを庇って死んだときからだ。そして、俺のもう一つの人格。彼女は弟の主導権と俺の大半の主導権でこの計画を実行するために母さんと繋がっていたんだ。まずあの話しのときに俺と接触し、実行するためのピースを渡していた。次に父さんと付き添いの使用人であるサラ・フランチェス,勘が鋭くリーダー格のメイア・ブライアンが邪魔だったため、父さんを殺し、サラ・フランチェスとメイア・ブライアンに罪を被せたかったが、予想外のことにメイア・ブライアンではなく、アルカ・トメリスが裏山にいったことにより、計画は少しずれた。その次に俺を完全に取り込むために、友人のトーマス・アグーナを殺し、俺に見せ、この俺の動きを見てどうするかを決めるところだったが、さっきの反応で判断させ、今にいたるわけだ。クソっ!身体が動かない。現状ぁと身体の主導権はルイサにあるが、他の主導権ならあるようだ。下手なことをいったとしても、俺の全ての主導権を奪わない限りは俺を生かし続けるはずだ。

俺「ああ。それに関してだが、やはり身近にいた奴をこいつの前で殺し、精神を揺すらせるためにはリアルなら方がいいだろ?」

昔の記憶を頼りにルイサの喋り方,癖を真似してみたが、そんなわかってない以上、今の俺にできる最善な言葉を選んだのだが、これであっているのか。

母「ふふ。じゃあ、適当な使用人に罪を被せて、アメリカにでも行きましょうか。」

ビンゴのようだ。え?俺はトリガーを引いていた。

母「な、なにを………」

俺はその後、9回トリガーを引いた。何をしているだ!?

ルイサ「ブレット。いや、私よ。見たか?こんなクズ人間である母を。そして、自分で殺した父や弟を。どうだ?」

あ、あ、あー。深呼吸したいけどできない。どんどん息が荒くなっていく。マズイ。どうすればいい??車!?

1997年8月1日19:17

?「あれ?ここどこ?」

私はジョン様を庇ってから、意識がなかった。ルイサ「ここは病院?」

あれ?身体の感覚がおかしい。私は目で確認すると、小さな子供になっていた。どういうこと!?しかも、ここはジョン様の部屋!?

母「起きたのね。ジョン。いやルイサ。」

え?ジョン様!?いや、私は庇って死んだはずでは!?

母「混乱する気持ちもわかるわ。でもこの状況が世間にバレたらどうなるかわかってるわよね?あなたの家族は全員タダでは済まないでしょうし、何よりジョンが可哀想ね。こんな女に人生を狂わされたんだってね。」

私は声が出ない。この言葉の重さに…この責任の重大さに…

母「取引といきましょうか。」

取引…人体実験…

母「ブレットの主導権をあなたが得るだけの取引だわ。私はブレットが欲しいの。ブレットの能があれば、この世界を支配できる。だから、やれ。」

私は逆らえない。もう何もかも…この女の支配下に入ってしまった以上は…

ルイサ「はい……」

2012年12月16:37

俺には見えた。見えたんだ。

ルイサ「さぁ!!どんどん自分を攻めろ!!ブレット!!お前は!!自分の家族をこの手で全員殺したんだぞ!!!」

俺「ああ、そうだ。俺はこの手で全てを壊したんだ。だから……」

俺はこの手で終わらせる。

ルイサ「だから、なんだんだよ!!」

俺「やってくれ!!」

バーン!

もうほとんど感覚がない。ちゃんと撃ってくれたのかな?

メイア「間に合いませんでした。すみません。ブレット様。」

大丈夫。メイア。おかげで俺は救われるんだ。この地獄ような人生を。

ダン「すまない。本当にすまない。」

謝らなくてもいい。ダン。おまえのおかげで今の俺は精神をギリギリで保てできたんだ。だから、謝らなくていい。俺は最後の力を振り絞った。

俺「主犯は…….俺………だ……」

あー。言えたよ。最後の言葉を…。所詮、俺は生まれてきてからずっと不完全体だったんだ。


2012年12月19日7:52

-「先日、シャーデリス一家殺人事件の主犯が当主リック・シャーデリスの息子ブレット・シャーデリスであることを明らかにしました。」-


私はあの頃から不完全体だったんだ。あの女に支配されてから全てが壊れてしまった。そのせいでジョン様たちを悲しませてもらった。ここで止めてくれありがとう。ブレット様。でも…本当は…本当は…もっともっとジョン様遊んで…成長を隣で見守って…楽しい幸せな暮らしをしたかったんだ……。


そろそろあの子たちが帰ってくる頃かしら。すると、2人がこちらに向かってきた。

メイア「おかえり。」

サラ,アルカ「ただいま、です。」

これで3人揃った。時間もない。

メイア「次の仕事に移りましょう。」

サラ,アルカ「了解です。」

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