塔防御の要、大陸遊戯

 ミキオ、クラゲ、ミモザちゃんでテーマパークデート。

スピード狂のクラゲに辟易せずに、キャッキャキャッキャの男児女児。

ボクはあいかわらずスクールカウンセラーの仕事をしていた。

中学生たちは明日方舟(アークナイツ)に夢中だ。

アークナイツのくだりは、又、後でやるとして、

ボクがプレイヤーとして成熟したら、

精鋭四名の生徒を召集してVISIONの中で、

脳内仮想を味わって貰うのも悪くないだろう。

それに徹するには、先ずはビッグデータを集積する所から。

『ヲタクに恋は難しい(ヲタ恋)』みたいな世界観を予想。

サーバー、基幹システムの部類が破壊されると、

ログインしているユーザー(プレイヤー)の脳にダメージを残す描写が

SFファンタジーでよく見受けられるが、

VISIONのソレは一体どうなのだろう?

ユーザーは指定のキャラクターに成りきり、オペレーターとしての任務を果たす。


 或る日の夕飯時にミキオ、クラゲ、ミモザちゃん、コガネさんと

ボクを加えた五人で一堂に会した。

プエルトリコの揚げ芋のタネは、基本的にジャガイモがメインだが、

この日は肉ジャガをタネにした揚げ物を皆でいただきます!

ジャガイモは輪郭を失うくらいに煮込まれており、

カブリついたらクリームコロッケの様なギミックを演出。

いつか誕生? コガネさんのクリームコロッテ。

肉のプエルトリコは、コロナ禍でも急成長しているが、顧客満足も大切なノルマだ。

ツースマイルという商標がソレを如実に物語る。

きっと、ミモザちゃんは母の後ろ姿を見て育ち、「世界で有名な日本人」に

Rank Inすることだろう。その前に揚田黄金さんが

Rank Inを果たすのか……。数日後、クラゲにVISIONの提案をしたら

「ダンナって本当にピュアっすね。ビジョンも悪くないけど

 お互いのスマートフォンを卓上に置けば……」

確かにクラゲの指摘通りだ。テーブルに東西南北があるなら、

最低でも四台のスマートフォンを置いて情報交換がおこなえる。

あまりにも、あの日の

【楽鵬 =  ラクホウ】(横綱)

【遷都竜=セントリュウ】(大関)の再現が鮮やかだったので、

生徒にも同じ興奮を味わわせたかったのだろう。

「クラゲさんから、聞きましたよ。

 ルトさん、アークナイツを遊戯しておられますね」

「そういうヤスメシくんもそうなのかい?」

「いいえ、でも友達カップルがイチャイチャしながら遊んでいるんです」

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