ノリが悪くてウザいという理由で大学サークルから追放されてしまった。仕方ないので一人で大学生活を謳歌してると元サークルのヤンデレ美人姉妹が俺の家に入り浸るようになっていった話。

tama

第1話:お前もうサークルから抜けろ

・前書き

たまにはヤンデレっぽいヒロインを出してみたい思って試しに書いてみました。

中編くらい終わると思うので、良ければ楽しんでいってください。


――――


 大学三年生の春先。都内にある大学のサークル室の中にて。


「沢城。お前、今日限りでサークルから追放な」

「……は?」


 その日、俺こと沢城祐希さわしろゆうきは所属しているサークルの部長で、一年の頃からの友人でもある久住秀介くずみしゅうすけからサークルの追放宣告を受けた。


「いや、なんで俺が唐突にクビにされんだよ? 一応このサークルの副部長なんだけど?」


 俺が所属しているこのサークルは名目として『山とか河とか自然溢れる場所に行って自然と戯れよう』というのを趣旨にしたアウトドア系のサークルだった。


 元々俺は地方の田舎出身で高校まではその田舎でずっと育ってきて、都内の大学に進学したのをきっかけに俺は都内で一人暮らしを始めたんだ。


 そして今まで田舎で育った事もあって、俺は山や河原など自然溢れる場所で遊ぶのがとても好きだった。田舎にいた頃は登山をしたり釣りをしたりとか自然で遊ぶ事が多かったしな。


 だから大学生活中にも色々と自然の溢れる場所に遊びに行けるなんて凄く楽しそうだなって思って俺はこのサークルに入ったんだけど、でも実際にはこのサークルはそこまでガッツリと自然と戯れるようなサークルではなかった。


 どちらかというとこのサークルは登山とか釣りとかそういうアウトドアな事をして自然を楽しむサークルではなく、人気のキャンプ場とか近場の河原に行って皆でワイワイとバーベキューとか飲み会を楽しむ感じのウェーイ系のサークルだった。だから結構な数の陽キャが集うサークルだった。


 そんなわけで俺は想像していたものと全く違ったサークルに入会してしまったんだけど、まぁでもこれはこれで沢山の人と交流出来て凄く楽しいサークルだなと思った。


 それに元々俺が暮らしていた田舎には若い人はかなり少なかったから、沢山の同年代の人達と交流出来る事が本当に新鮮で楽しく思ったんだ。


 だから俺はこのサークルに入会してから可能な限り部室に顔を出してサークルメンバーの皆と交流を深めていったし、サークル活動の方でも俺は企画運営や裏方業務などにも率先して携わってきていた。


 そしてそれらの頑張りが先輩達にも認められて、俺は三年生になったタイミングでサークルの副部長に任命をされたんだ。


 という事でこれからは副部長としてサークルの皆をより一層楽しませれるような企画運営を頑張っていこうと思っていた所だったんだけど……それなのにサークルの部長である久住にいきなり追放宣告を言い渡されたというのが今の状況だった。


「ちゃんと納得のいく説明してくれよ、久住! 何で俺がサークルを追放されなきゃなんないんだよ? 俺が何か悪い事でもしたのか?」

「そんなわかりきった事聞いてくんじゃねぇよ! 副部長のクセにサークルの仕事を何もやらねぇのが大問題なんだよ! だからお前みたいな役立たずの無能はこのサークルにはもういらねぇよ! 早くサークルから消えてくれ!!」

「いやいや、俺はサークルの仕事はめっちゃやってるだろ! 何なら俺が一番仕事してんだろ!」


 サークルの勧誘チラシを作ったり、企画運営や飲み会幹事も務めたり、遠出をする時のレンタカーやバーベキューの手配などの雑務も全て俺がこなしていた。


 さらに他校の似たようなアウトドア系やアクティビティ系のサークルとも交流も深めていき、他校のサークルとも合同でイベント開催などの企画も俺が主体となって行っていた。


 これだけ沢山の仕事を今までずっとこなしていたのに、俺がサークルの仕事を全然してなかったと久住に言われるのはあまりにも心外だった。


「はぁ? お前さぁ……仕事をしてるっていうのは完璧な内容の事を指すんだよ! それなのにお前の企画は毎回都内から近くの河原とかキャンプ場ばっかりでガキ向けの遊びみたいな企画しかやんねぇじゃねぇかよ! もっと遠くの場所に行って色々と遊びまくれるような面白れぇ企画を作れよな!!」

「いやそれはしょうがないだろ! だってこのサークルは女子もかなり増えてきたんだからあまり遠くの場所に行くのは流石にマズいだろ。もしも何か不測の事態が起きて日帰りで帰れなくなったら女子達が不安がるだろうしさ」


 そう。実はこのサークルは俺が入会した頃は8~9割くらいが男子部員で飲み会とかバーベキューとかしまくるウェーイ系のサークルだったんだけど、俺が二年生になってからは女子の比率が思いっきり高くなっていったんだ。


 ちなみにこのサークルに女子の入会希望者が増えた理由は、少し前にSNS等でキャンプ飯やソロキャンなどが一大ブームになったおかげだ。


 元々このサークルは『山とか河とか自然溢れる場所に行って自然と戯れよう』という趣旨だったので、その趣旨に惹かれた多くの女子達が入会してくれたんだ。という事で今現在の男女比は半々くらいになっている。


 そして自然が好きな俺としてはそういう事に興味を持ってくれた子達のためにも色々な企画を作ろうとしていったんだけど、でも女子が増えてきたから危ない事や不安がるような事は極力無くした方が良いだろうと思った。


 だから俺が企画する時は比較的都内から近場であったり、日帰りで必ず帰れるような場所をメインに企画していったんだ。せっかくSNSとかで自然に興味を持って入会してくれた女子達が不安にならないように安全面にバッチリと考慮した企画にいつもしていたんだ。


 でもどうやらその俺の考え方が部長である久住には気に喰わなかったようだ。


「はぁ、お前マジで言い訳ばっかりだよな……。言い訳ばっかり言うヤツはマジで人間として終わってるからな? それじゃあ他にも言わせて貰うけどよぉ……お前が企画する飲み会っていつもクソマズい安酒しか飲めないゴミ店舗ばっかりだよな!! もっと俺達に美味い酒を飲ませる店を見つける努力をしろよ馬鹿が! もっと考えて店選べよこのタコ!」

「いや安酒ばっかりになるってのは俺達学生なんだから予算的にしょうがない事だろ! ってかマズイなんて事はねぇよ! いつも俺達が利用させて貰ってる居酒屋は俺達学生にとってかなり良心的な価格で料理もお酒も提供してくれてる凄い親切な居酒屋だぞ! むしろあんな低料金でやってくれてる居酒屋さんに感謝しろよな!」


 久住は俺のサークルでの仕事について色々な不満を持っているようだが、しかし俺もちゃんと反論をしていった。

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