プロローグ

 桜の花びらが舞う春の日、数十メートル後ろから僕は君の姿を見つめていた。君の微笑む顔は、世界中の誰よりも美しく、まるで女神のようだった。その瞬間、時間が止まったかのように感じた。


 しかし、時は残酷だった。数年後、僕は戦場に立っていた。水を巡る争いは、かつてないほどの激しさで世界を巻き込み、国々は死に物狂いで戦い続けていた。水がなければ、人は生きていけない。だからこそ、争いは止むことなく繰り返されていた。歴史は繰り返す、とはよく言ったものだ。君が暮らす街を守りたい、その一心で僕は戦っていた。そうだ、なんの前触れもなく、第三次世界大戦が始まったんだ。忘れもしない、あの日、あの瞬間——。


 授業中に、突然、東京が空爆されたんだ——。

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