謎の着信
天川裕司
謎の着信
タイトル:謎の着信
ある日、俺がいつものように部屋にいると、
ピリリリリ!と携帯が鳴った。
「はいもしもし?」
と出てみると、
謎の男「あ、君?S町の喫茶店『ロフト』に行ってみて。重要な事がそこで見れると思うから」
「は?」
わけのわからない会話をしてくる。
そもそも非通知。
それに出てしまったのが俺の運の尽きだったのか。
でも言ったことがなぜか妙に気になり、
俺はその喫茶店まで行ってみた。
その喫茶店は俺が住んでるこのS町にあり、
実は俺もよく行く最寄りの喫茶店。
だから余計に気になったのもある。
そこへ行くと、
「え…ウソ…」
ドアを入った瞬間、パァン!と音が鳴り、
1人の男性が死んでしまった。
パァンの音は銃声ではなく、店内で何かが小さく爆発したみたい。
店側の過失で、その店はその日に閉店となった。
「……なんだよあの電話…」
すると次にまた電話がかかってきた。あの非通知だ。
謎の男「あ、もしもし?今度はさぁ、雨が降る日にT河川敷に行ってみて」
「は?あ、あんた誰なの?」
こちらの反論は一切聞かないらしく、プープー…。
T河川敷も俺がよく使っていた遊び場所。
子供の時からそこで野球をしたりサッカーしたり、
まぁ子供の遊び場としては最適だった。
ふと空を見上げると曇り始めている。
「もしかして」と思っていたらザーザー。
俺は急いでいちど家に帰り傘を持って、
そのT河川敷まで行った。
「助けてえぇえ!!」
T河川敷に着いた直後、
子供の叫び声が川の方から聞こえ、
見ると小さな子供が溺れている。
すぐ助けようとしたがドボンと子供は水の中に入ってしまい…
「ハァハァ…なんで…ウソだろこんなの」
子供は救助の末に亡くなった。
この電話がかかってくると、誰かが亡くなるのか…?
俺は急に怖くなり、あの電話にはもう出ないようにしようと心に決めた。
でもそれから数日間、電話は鳴らなかった。
そして数日後。俺が友達と一緒にいた時だった。
またあの非通知からかかってきたのだ。
友達がふざけて電話に出てしまい、俺に代わった。
「何してくれるんだよ!」なんて言いながら出てみると…
謎の男「ねぇねぇ、今度は君のウチに行ってみてよ。面白いものが見れるからさ」
とそいつはあっけらかんと言ってきた。
久しぶりに聞いたそいつの声。
また友達と一緒にいたからか、俺も少し心に余裕があって、
「なんでこんな奴に怯えなきゃならないんだ、クソ」
となってしまい、もう怯えるのをやめた。
それに「自分の家に行け」なんて言われて、
それを回避する方法なんてない。
だから無視しようとその電話の事はなるべく忘れ、
その日、いつも通りに家に帰った。
でも玄関を入ると、どうしてもあの馬鹿ヤロウの声がよみがえってくる。
そして少しびくつきながらも自分の部屋に戻ってみると…
「おうわ!?え!?な、なんだよこれは!!」
俺がそこで死んでいた。
そして後日。
ピリリリリ!
友人「ん、なんだこれ?非通知か?…はいもしもし?誰?」
謎の声「あのさぁ、M喫茶店に行ってみてよ。面白いものが見れると思うから」
友人「は?」
俺がいなくなった後、友達の間では
自分たちの携帯にかかってくるこの謎の声が、
なんとなく「門脇(かどわき)の声に似てる?」なんて噂していた。
門脇とは俺の事。
動画はこちら(^^♪
https://www.youtube.com/watch?v=OyNRX83CT0M
謎の着信 天川裕司 @tenkawayuji
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます