第27話 ★

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「ルーカス……お主という奴は、本当に手のかかる弟子であった…………。だが、ワシから教えられることはもう何もない」

「賢者様……そんな、俺はまだ…………」

「言うな。ワシがお主にしてやれることはもう何もないのじゃ」


 ブライド先生と別れてから早1年半。

 あれから俺は、グリモルさんから魔法を教えてもらうようになった。

 グリモルさんから魔法の理論を学び、魔法師として必要な知識を頭に詰め込む日々。

 俺の魔法に関する知識は、既にそれなりのレベルに達しているとのお墨付きをグリモルさんから貰っている。

 ……。

 

 もちろん、剣も続けている。

 今の俺は冒険者ギルドにも馴染み、度々ギルドに居る冒険者とパーティを組んでは魔物狩りへ出かけるようになっていた。

 最近では、冒険者たちに『自在剣鬼』とかいう変な渾名まで付けられている。

 ……誰が鬼だよ。

 

 それはさておき――。


「ルーカス。お主はよくやった。おめでとう。これで免許皆伝じゃ。もう、そういうことにしてくれ」

「待ってください! 俺はまだまだ教わりたいことが!」


 一方、俺が本腰を入れて取り組んできた魔法の方はと言えば――。


「ワシはもう何をしても、お主をまともな魔法使いに育てる自信がない! お主は諦めて剣士になれい!」

「ならない! 俺は魔法使いになるんだ! 頼むよグリモルさん!」


 念願かなって魔法の教師役を引き受けてくれたグリモルさんは、俺の才能の無さでお手上げ状態になっていた。

 誠に遺憾ながら、俺は魔法使いとしてまだ初心者どころか入門者レベルのことすらできていない。

 知識だけは豊富な頭でっかちになってしまった。


「無理じゃ! そもそもお主は、自身の体内を流れる魔力の動きすら認識できておらんのだ! 魔法を教える以前の問題じゃわい!」

「そこを何とかしてくださいよ! 魔力を感じとるための訓練とかはないんですか⁈」

「んなもんあるか! 普通は微弱でも意識すれば感じ取れるんじゃ! 全く感じられない奴なんぞ、初めて見たわい!」


 俺たち人間の体内には、魔力という不可視のエネルギーが流動している。

 魔法師はそのエネルギーを操り、魔法という超常の力を扱うことができる……のだが。俺には全く以て魔力を感じることができない。当然、感じられないものを操ることはできないのだった。

 要するに、俺はこの1年半を掛けて、魔法実技に関しては一歩目すら踏み出せていない。


「昔は才能値が1でも魔法は使えるようになるっていってたじゃんか! グリモルさんの嘘つき!」

「本来は鑑定の儀式で才能タレントを見出された時点で、その道に進める可能性はこの世界に示されておる。1とはいえ、魔法師の才があったお主なら可能性はあると思っていたんじゃ……。しかし、まさかこれほど酷いとは……」

「ほ、他の才能値1だった人たちはどうだったんですか? その人たちと同じことをすれば俺だって――」

「そんな奴はおらん! ぶっちゃけ、才能値1なんてものはお主以外に見たこともないわい!」

「はっ⁉」


 なんでも才能値はどれだけ低くても20はあるのが普通らしい。

 グリモル先生が見た中で最も低い人間でも、俺を省けば15が精々。

 下手をしたら、1は人類史初レベルの値らしい。

 全然嬉しくない……。


「それでも、それでも俺は! 魔法使いになるんだぁぁぁああああああ‼」




 

 名前:ルーカス・アラディア

 性別:男

 年齢:10歳

 身長:146センチ

 体重:40キロ

 適正職:剣士

 才能値:

  剣士:∞

  槍術士:400

  弓術師:100

  格闘家:50

  魔法師:1

 武器:

  黒翅≪蜻蛉カゲロウ

  見習いステッキ

 技能:

  王国式柔剣術 極伝

  王国式剛剣術 奥伝(仮)

  我流・自在式剣術 ???

  魔法 入門




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