第5話 なんで




「お兄さん!お兄さん大丈夫ですか⁈」


「う、、」


「よかった、起き上がれそうですか?」


「あ、はい、、あの、僕、」


「はい、男性が倒れてるって通報があったんでね、駆けつけたんですが、、、

これはお兄さんがやったのかな?」


ワタルの目の前には

"人間だったであろう"物が横たわっていた。


「お兄さんの近くに骨スキ包丁が落ちてたもんでね、一応確認だよ」


質問をしてきた警察の周りには

救急車や目視しただけでも5〜6台のパトカーがあった。


「いや、実は、、」


ワタルは自分自身が目撃した"事実"を

そのまま警察に話した。


「なるほど、、

じゃあそのケイタ君?って子はそのまま逃げたって事か。

わかった。とりあえずワタル君、話聞かせてもらった所悪いんだけど事情聴取って事で署の方でもう一度詳しい話を聞かせてもらえないかな?」


「、、わかりました。」










数日後










まだ体が100%起きていないお昼



プルルル・・・プルルルル・・ピッ


「はい。」


「どうも、ワタル君の携帯で間違いないかな?先日事情聴取させてもらった〇〇署の

オギノです。今大丈夫かな?」


「あ、どうも刑事さん。大丈夫です。」


「ありがとう。この前の事件からずっと捜査はしてるんだけどどうにもこうにも

ケイタ君の所在が分からなくてね、

仕事の方には、、もちろん顔出してないよね?」


「あ、あれから僕も長期でお休みをいただいてるので出勤してるかどうかは分からないです」


「そうだよね、わかった。

もしケイタ君から"連絡がきたら"

すぐ僕の方に知らせて欲しい。

よろしくね。」


「分かりました。」


ケイタはまだ見つかっていないようだ

なんであいつが、

人を殺せるような人間じゃないはず。

そして最後の言葉が引っかかる。

「お前が悪いんだろ!!!」

なんでだ、意味がわからない。

俺が何かしたか?

喧嘩なんて一度もしたことないのに

癇に触れる事をした覚えもない。

なんで

なんで

なんで

何があった



少し眠ろう。

そして起きたら散歩でもしよう。

考えるんだ、なんでケイタがあんなことをしたのか、、、。

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