決意する二人

俺と千紗は売店で絵梨と絵梨に運ばれた人たちに差し入れを買った。

絵梨たちは喜んだくれた。

何を買ったかと言うとこの学校の売店で人気すぎて全く買えないと言われている『カレー焼きそばチャーシュー入りパン』もう焼きそばパンなのかカレーパンなのか何がなんだか分からないパンだが美味しすぎることと、売店の店員さんが美男美女が多いことから『魔性の売店』略して"魔店"と呼ばれている。ちなみにこの名前を考えたのは絵梨だ。

絵梨が運んだ人に話を聞いたところ「突然意識がなくなった」とのこと。

やっぱり不死原幻斗ふじわらげんとには何かあるのか?

俺はそう思いながらも授業を受けるために絵梨と千紗と教室に戻った。

そして放課後

「そんじゃ千紗、琇俺は帰るわ。母ちゃんも待ってるし」

そう言ったあと絵梨は俺の耳元でささやいた

「おい琇せっかく俺が千紗と二人にするんだからなにかしら進展させろよ、頑張れよ!!」

ささやくだけならよかったんだけど背中を叩かれたので俺は「分かった分かった頑張るから!!」と言ってしまったので本当に頑張るしかない。

……あれ、絵梨が帰ったけど、なんだか千紗の顔が赤いな……まさか風邪!!

「ちょっ琇、きゅっ急におでこ触ってきてどうしたの(なになになに琇どうしたの……ちょっとまだ心の準備が、せめて家でにしてよね!! 明日なら家に私一人だからさ、その時に……って何考えてるの私ぃぃ!)」

千紗の顔がもっと赤くなって……あれもしかして照れてるだけとか……一応聞いてみようか

「さっき千紗のおでこ触ったのは千紗の顔が赤くてもしかしたら風邪をひいたと思って心配したんだよ(心配したとはいえ、俺千紗の顔を触って……何してるんだよ俺ぇぇ)」

すると千紗が

「あの……ね、そのぉ……いっ今からさぁ遊園地行かない?(言っちゃった言っちゃった言っちゃった……引かれたらどうしよう、でも引かれるのも嫌だけど断られるのも……あぁもう不安しかないよぉぉぉ……でもでも勇気を出した自分を褒めなきゃね。そうでもしないと不安を誤魔化せないよ。あれ、でも私さ琇に今から遊園地行かないって誘ったよね……それって二人ってことだよね……デートの誘いみたいになってるよね!? これってもし琇が一緒に遊園地行ってくれるってなったら私と付き合ってくれるってことなのかな? でもそれは言い過ぎだよね……でもでも…………)」

えっ今千紗から遊園地に行かないかって誘われなかったか?……あぁこれは夢、なんだろうな……だって遊園地に誘われたんだぞ、しかもこれからってことは二人っきりで……もはやこれはデートじゃねえか!!……勝手に舞い上がるなよ俺もしかしたら千紗が誰かと行くために下見するのに俺が適任ってだけなのかもしれないし……そうこれはデートじゃない……だとしても断る理由がないじゃないかだって千紗からの誘いだぞ!!

「これからだよな……まっまあ千紗がどうしてもって言うなら(違う俺が言いたいのはそういうことじゃなくて……どうして素直に喜べないんだ。俺はただ『千紗に誘われて嬉しい一緒に遊園地に行こう』って言いたいだけなのに)」

俺が素直になれず言ってしまったことを後悔しながら俯いていた時千紗が何かぶつぶつ言っているのが聞こえた

「どっどうしてもよ……どうしても琇と一緒にいっ行きたい……」

俺が何を言ったのか聞こうとしたら千紗が大きな声で

「どうしても琇と遊園地に行きたいの!! べっ別に昨日『親しい人(恋人)と行くところといえばって〇〇だよねぇ』って番組を見たから気になっただけであって(あれ今私何言って……これって、もう告白なんじゃ……でも琇が番組を知らなかったら問題ない、ってそんなわけないじゃない!! 今はネットの時代調べたら簡単に番組の情報なんて出てくる。それに告白するなら、もっとそのぉムードを大事にしようと思ってこれから行く遊園地でしようと思ってたのに……観覧車で琇に告白するのが夢、いやもう夢で終わらせない夢を現実にするかどうか私次第なんだから琇に気持ちを伝えるんだ……伝えられるかな? 頑張れ私、ファイトだ私エイエイオー!!)」

千紗がなんだか張り切り出しただけどそういうところも可愛い……でもそう思うだけじゃだめなんだ。伝えないと千紗のことが好きだって、これから行く遊園地で。

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