一話 1日目 前編

「………………ん、おはよぉ」

いたたたたた…頭が痛い。しかもなんかベトベトしてる。なんだろう?

なんか赤いなぁ


「ぎゃゃゃゃゃゃゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」

この悲鳴誰のだろう?可愛くないなぁ.......



★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

「起きろ、おーきーろ、おきろつってんだろばーか」

「…………あー頭痛いなんやったかなぁ」


ぼんやりした頭を必死に動かしてみる。あ、えーと、おばあちゃんちの片付けをしに来てたんだった。それで、えーっと?そうだそうだ、ドア開けたらイケメンいたんだ。で、失神して?


「大丈夫?ごめん起きないから叩いた。」

「え、うーんと、状況教えてもらえますか?あなた誰?」

「………っ?そこは矢継ぎ早に聞いてきて俺が一つずつ答えるからまってーなって言うところやろ」


は?大丈夫か、こいつ

「ラノベがお好きなようで。って持っとるやん?!」


彼の手には正真正銘のラノベ、転生モノの本が乗ってた。


「とりあえず質問に答えるで、俺は高橋裕太、気づいてると思うけど正真正銘どこからみても幽霊や。」


「は?幽霊?馬鹿もいい加減にしーや」

うん。確かに。足ないやん。ふーん。


「ぎゃああああああああああ」

「倒れへんのかい!」


なんなんこの人…めっちゃラノベ感満載なんだけど!


「幽霊だね。正真正銘の。で、なんでここにいるの?」

私はラノベすぎるこの人にとてもイライラしてきている気がする。

「えーっと、俺が行ける範囲で空いてそうな家はここぐらいしかなかったから。」


「ふーん。まぁ、そんな感じなら後でいいや。それじゃ、次。なんで私はあなたが見えるの?」


「その死体?いや息があるか。けどもう少しで死ぬし……とりあえず、顔良く見てみぃ」


あ、はいなるほど。わかりました。

「死にかけだから同類ってことか」


うん。そう。頭から血を流してる死体(?)は私だった。

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