第2話
ユリス王国の名産品は花。薬草とも言える。
様々な病気に対応できる葉や花を売りに出している。ただ、加工技術が無い為、加工は他の国を頼るしかない………というのを利用して、加工しないそのままで売りに出している。加工技術を持つ国にもそこそこの値段でだ。
なぜかって?
もし、加工技術を持つ国が、「自分達にしか渡さないようにしろ!!」って言ってきたとすると、私達の国は、むしろその言ってきた国に渡さないようにする。
そうすると、言ってきた国は薬草を渡されないからどうしようもできない。だから、多少お金を増やして売っても、文句は言われない。
まぁ、増やしすぎてこちらとの取り引きが打ち切られたら元も子もないから、良い塩梅を見極める必要があるけどね。
そして、技術を持たない国には売らない。ただの無駄だからだ。売って何か見返りをくれるなら良いけど、基本無いし。食糧も、基本的に賄えている。不作の年は輸入すれば良いだけだし。
ユリス王国はこれぐらいかな?
んーっと………ユリス王国の周りにある国は、3つと1つか………3国は友好関係。戦争の危機なし………残りの1国が、あまり関係の良くない国って感じかな。
友好国
カーンショネー王国
レカトリア帝国
ヒャシアンス・チュリップ二重帝国
友好では無い国(敵対しているというわけでもない)
スランズビア王国
って感じかな。友好国は薬草を取り引きしている国。友好ではない国は技術力が無いから薬草を渡してないって感じか……まぁ技術力を持ってから来ておくんなまし。
私達?
私達はあえて技術力を持ってないだけだから。
うん。まぁ……加工出来るっちゃ出来るんだけどね。
薬は毒にもなれる。だからこそ、対抗策が必要なのだ。
薬草のまま売っているのは、ただの選別。技術力があるってことは金を持っていることと同義だからね。
話が逸れたね。まぁ周りとは特に敵対してるってわけではない。って感じだね。
王子サマだからここら辺の地理とか友好関係とかも学ぶのかー………
はえー。まぁ記憶を覗けば大体分かるし、前世も社会に出れるぐらいには教養はあるし…………大丈夫でしょ。
えーっと次は………? ああ、家族、友人関係か………
ここら辺も確認しとかなきゃ、色々と不和が生じそうだしね………今の内に、見えておこう。
私は、第一王子。長男で、弟がいる。
弟の名前はモネラフィ・ユリス
まぁ王子サマの時とは特段関わりの無い存在となっている。
同じ父母を持つが、次男は長男が死んだ時の予備、って王子サマはそう見ていたみたいだね。
直接口に出すことはなかったけど、徐々に関係は離れて行き疎遠に、と………
なるほどねぇ? 随分とまぁ、偏った考えたで……そこら辺は年齢とかもあるのかな?
あっと、そういえば年齢は………19!? 19でこの考え方なの!?
ほへぇ………前世って進んでたんだなぁ……前世なのか、王子サマが酷いのか……
次は父であり、国王のプラム・ユリス
こちらの関係も可もなく不可もなく。まぁ疎遠ではあるか……
理由は、次期王様になるから父とも国王として接しているってことらしい。まぁ、妥当? 正直、ここら辺の人間関係は記憶だけじゃ分からないなぁ……
次は母であり、王女のリカラリー・ユリス
こちらの関係は良好。とても仲良し。
お母さんには甘えたい欲でもあるのかな?
うーん………お母さんの方から積極的に関わりに行ってるっぽい? 家族の関係を元に戻したいのかな? 私が見ているのはあくまで王子サマの記憶だからなぁ………お母さんの思惑は分かんないし、王子サマの思惑も分からない。王子サマの視点だから、その時の表情も見えない。
まぁ、口調とかで何となくは分かるけどね。
続いては、んー……まぁボタンだけでいっか。使用人は複数人いるけど、筆頭執事であるボタンだけでいいでしょ。それに、ボタン以外の使用人とはあんま話してないらしいし。
ボタン。苗字は貴族ではないので無い。
王子サマとは、お父さんもお母さんも国のことがあるため、あまり幼い頃から触れ合えず、ボタンと乳母が代わりに世話をしていた為、2人よりも長いレベルだ。だから、関係は当然良好。家族よりも仲が良いって感じね……
ふむふむ………
ん? あれ? 友人関係を見てみたけど………いない? いや、交流関係はあるのか……あと、婚約者も。でも、友人と呼べる存在はいないって感じね……おおう、悲しい……んーっと………あ、めんど。めっちゃ多い。交流関係多っ……確認するのはその人に会った時に確認しよ。今は主要人物だけで良いかな。
えーっと……キラズ・バランの両親ね。
お父さんの方はリチエリー・バラン
お母さんの方はピースイート・バラン
って名前だね。どちらも温厚な性格だが、どちらも重い。愛が重いのだ。どちらも重い愛情を持っているから本人達は問題ないようだけど、周囲から見たら、えぇ………ってなるレベル。まぁでも、本人達が幸せならまだ良い。
愛の重さが、血の繋がりで伝わっていることがっ………! これはあくまで王子サマの愚痴だけど、私目線からしても、キラズ・バランの愛は重い。
正直、相手が自身を見向きもしていない、むしろ避けられているのにめげずにアタックするのはなかなかに凄いと思う。私なら簡単に折れる。ええっと………? キラズ・バランの功績は、っと……
!?
マズイ!何かよく分からないが嫌な予感がする!?王子サマ時代の私の本能がそう叫んでいる!どこか、どこか退避場所は!?
ダッダッダッダッ
バタン!
仮にも貴族の淑女である存在が、足音をならしながら廊下を走り、音を大きく立てながら扉を開けるべきでは無いと思う。
あくまで王子サマの時の感覚だから、私にとってはどうでも良いっちゃ良いんだけど…………
「キュリズ様!お目覚めになったのですね!?」
彼女がキラズ・バラン……王子サマの時の勘が、一刻も早く彼女から離れたいって言ってるね…………
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