月夜

小木瓜まり

月夜

秋風のもの悲しさに見上げた夜空に浮かぶ月が、貴女の好きだった檸檬ケーキのように見えたのでこうして筆をとっています。


貴女が彼に嫁ぐ日までの日数を数えるのはもうやめました。


彼は良い男だから、貴女をきっと大切にしてくれるでしょう。


僕たちはこれでよかったのです。欠けてゆく月のように、これが僕たちのあるべき姿です。


貴女はどうぞ、幸せに暮らしてください。


やがて満ちる、月のように。

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月夜 小木瓜まり @K_comarie

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