第551話 無いなら作る
マジャリスさんがお代わり分を食べ終わるのを待ち、みんなでデザートタイム。
だがしかし、今日のデザートは一味違うぜ!!
「カケル……これらは?」
「お酒の原液になります」
取り出したるはお酒の入ったボトルたち。
その名もカルーア。
……そう! 今日のデザートはカルーアミルクから始まり、抹茶カルーアやキャラメルカルーア。
更にはバニラカルーアなどの甘~いお酒で済まそうという魂胆。
別にデザートのネタが無くなったからじゃないぞ?
エルフ達に飲ませたくなっただけだからね?
そこんとこよろしく。
「酒とな!?」
それにお酒ならば、飲兵衛の二人も釣れるだろうって魂胆よ。
味が甘いから気に入るかどうかは分かんないけど。
「それぞれコーヒー、抹茶、キャラメル、バニラのフレーバーのお酒でして、これを牛乳で割って飲むんです」
「ほぅ」
「悪くなさそうだな」
散々お湯割りやらハイボールを飲んでたからね、お酒を割るって事に抵抗が無くなったらしい飲兵衛コンビ。
ただまぁ、思っているような『お酒』とは違うと思いますけどね。
「一番オーソドックスなのはコーヒーですけど、どれが最初に飲みたいとかあります?」
「キャラメル!!」
「私はバニラでお願いしますわ」
「コーヒーがいいぞい」
「同じくコーヒーをくれや」
「私は抹茶だ」
えーっと、マジャリスさんがキャラメルで、リリウムさんがバニラ。
飲兵衛コンビがコーヒーで、ラベンドラさんが抹茶ね。
少々お待ちください。
「結構アルコールは強いのか?」
「そうですねぇ……。ワイン程ではないですけど、高いと思います」
一般的なカルーアミルクでビールと同程度。
ただ、甘くて飲みやすい上にツマミとか無しでもぐいぐい行けちゃうから、思った以上に飲んでる、なんて事が起こり得るらしい。
悪酔いしやすいって書いてあったし。
「とりあえず一杯目は無難な配合比にしてます。二杯目以降で比率は調整しますよ」
「うむ」
「いただきま~す」
と言う訳で異世界組に初のカクテル、カルーアミルク――実飲!!
「うぐっ!?」
「あ、甘ぇ……」
うん、知ってた。
二人には甘すぎるよね……。
「でも悪くはねぇな」
「コーヒーの風味に助けられとる部分はあるがの」
ただ、吐き出すって程ではないらしい。
まぁ、デザートとして出した時点で味はお察しよ。
「すっっっっっっっっっっごく美味しいですわ!!」
「美味し!!」
「美味い」
対してエルフ組の反応はかなりいい。
リリウムさんを見てみろよ。
浮いてるから、物理的に。
「バニラの風味が体の隅々まで駆け巡っていくようですわ!」
「このキャラメルの香ばしさとほろ苦さがいいんだ! 次の一口の甘さをより引き立たせる!!」
「抹茶の渋味と苦みもいいアクセントだ。牛乳で割ったのも頷ける」
リリウムさんとマジャリスさんはコップをカパカパと傾け。
ラベンドラさんはまるでロックで飲んでいるかのようにゆっくりチビチビと楽しんでおられる。
さてと、俺もいただくか。
気になってるバニラカルーアを、通常より薄めて作りまして、と。
「カケル、何かツマミはないかのぅ?」
「ありますよ、ちょっと待っててください」
カルーアミルクに合うおつまみ、調べて買って来てるんだよね。
と言う訳で登場! うすしお味のポテトチップス!
しょっぱくてパリパリ食感のポテチが、カルーアミルクと相性抜群なんだって。
と言う訳でこいつを平皿に盛りまして……。
少ないな。二袋分乗せるか。
「はいどうぞ」
「ポテトを薄くスライスして揚げた物か?」
「です。他にも味があるんですけど、今日はうすしお味で」
そういやポテトチップス初見だっけ?
揚げ物が無い文化圏の方々だから、これはこれで反応楽しそう。
「ん!? 凄く軽いんですわね!」
「このしょっぱさがいい。次の一口の甘さをさらに増幅させる!!」
「食前に食べても良さそうだな、このツマミは」
「まぁ、前菜として出される場合もあるみたいですよ?」
昔はご飯の前には食べちゃダメって言われるもの筆頭だったな。
ポテトチップス。
次点でチョコレート。
「カケル、これはコーヒー風味の酒を作って、それを牛乳で割ったものなのだろう?」
「ですね」
「では、チョコレートなどでも出来るのか?」
「出来なくは無いと思いますけど……」
俺が知る限りじゃ売られてなかったな、チョコレートカルーアなんて。
でも、あったら絶対に美味しいだろう。
「醸造ギルドに投げるか?」
「コーヒーすら流通が厳しいという見方が出ているのにその酒となると開発が却下されそうだ」
「確かに……」
「甘い酒がある、という情報だけを与えて、勝手に試行錯誤させよう」
「俺は早く飲みたいが!?」
「醸造ギルドもやることが山積みだ。これ以上積むとパンクするぞ?」
「むぅ……」
アイスワインとかの開発から、バハムートの血を使ったワインのランクアップ。
それらの開発研究を進めているであろう、今後出会う事も無いだろう醸造ギルド様。
僕のせいじゃありません、恨まないでください。
「果実から作られる似たような酒があれば話は別なのだが……」
ん?
流れ変わったな?
「ありますよ? 果実ベースのカクテル」
「……だよな?」
「まぁ、はい」
「すぐに飲めるか?」
「流石に材料を揃えないと……。でも、明日には用意出来るかと……」
あ、うん。
みんなからの期待のまなざしが凄い。
えー……と言う訳で、明日のデザートはカシスオレンジなどの果実酒カクテルに決定しました……。
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