第471話 真ん中が普通とは限らない
「ちなみにマンドラゴラのピクルスはあります?」
「あるぞ」
お、ちゃんと持って来てくれたみたいだな。
どれどれ……。
「あー」
「?」
いや、俺に配慮してくれて頭を落としてくれてると思うのよ。
でもさ、考えて欲しい。
マンドラゴラって、明らかに体というか、四肢が確認出来るじゃない?
そんな姿から、頭だけが切り落とされてる姿を想像して欲しい。
……スプラッター映画かな?
しかもそれが酢漬けにされてるわけですから奥さん。
せめて体が分からない位に刻んでくれてたら良かったのに……。
「とりあえずは大根と、後は先日も持って来たキムチだな」
「そっか、キムチも漬物か」
える知ってるか? 異世界のキムチは 青い。
ちなみに大根はべったら漬けみたいな見た目だった。
少し味見……、
「……なるほど」
これあれだな。
某回転寿司店が採用してる大根ガリ。
あれにそっくり。
ちょっと大根の辛みがあるけど、それがほんのり酸味な味付けとマッチしてるわ。
福神漬けとはまた違うけど、これはこれでカレーに合いそう。
「キムチも美味かったんですよね」
こう……なんて言うの?
元が魚卵液なせいか分かんないけど、魚由来の旨味成分? みたいなのを感じるんだよね。
こう、オキアミとかのニュアンス。
普通に美味いんだよなぁ。
「大体メジャーなのはこれで、こっちのキムチは最近私が作るのにハマっている漬物だな」
大根の酢漬けが異世界ではポピュラーと。
でもさ、こう……何と言うか。
漬物ってやっぱりご飯と合わせてこそじゃない?
いや、ザワークラウトとかあるのは知ってるけど、やっぱり漬物とベストフレンドは白米だと思うの。
そうなると、この大根ガリでは米は進まないな……って思っちゃう。
「とりあえず食わんか?」
「あ、スイマセン」
食べる寸前にラベンドラさんが漬物を出すもんだから、そっちに集中しちゃった。
と言うか、皆さん食べずに待ってるのえらいですね。
姉貴だったらすぐに飛びついてたと思いますよ?
それじゃあ気を取り直しまして、
「いただきます」
「「いただきます!」」
全員で声を揃えていただきますっと。
「ん~! カレーの美味しさはそのままに、炒めた香ばしさが追加されてますわね!!」
「水分を飛ばしたことで味も濃く感じる」
「バハムートの肉汁が素晴らしいアクセントだ」
「び、ビールが飲みたい」
うん、美味いカレーピラフですわよ。
と言うかあれだね、魚卵カレーの辛さ、中辛くらいの辛さなのね。
……これ神様の好み?
(違うぞい?)
違うんだ。じゃあなんでだろ?
(中くらいの辛さという意味じゃろ?)
まぁ、そうですね。
(つまりは普通……と言う事じゃろ?)
あー、なるほど。
いわゆる平均を狙った辛さ、と?
(そうじゃ。お主の国のカレールゥとやらの中間の辛さになっとるはずじゃ)
納得。
これで俺の居る世界の中間……とかなったらどうなっていたか。
インドカレーやタイカレーとかも入ってくるから、今のより辛くなってそうだ。
辛さに物足りなさはあるけど、それは添えたキムチを食べればいいしね。
……ハッ!? 気付いてしまった……。
「ラベンドラさん」
「……なんだ?」
「手伝ってください」
有無を言わせずラベンドラさんの手を引き、リボーンフィンチの卵をボウルに割り。
塩コショウとチーズを入れてかき混ぜる。
「……オムレツか?」
「です!」
「任せろ」
俺が何をしたいか察したラベンドラさんに後を任せ、待つこと数分。
「お前ら、皿を寄越せ」
「? まだ食べている途中ですわよ?」
突然ラベンドラさんに声を掛けられ、不思議そうに顔を見るも。
結局は大人しくお皿を渡すリリウムさん達。
そうして差し出された皿に、綺麗な緑色のオムレツが乗せられまして。
「カレーとチーズは合う。そして卵とも合う。つまりは最強の組み合わせと言う事だ」
あまり説明になってない説明をしつつ、オムカレーピラフの完成。
最初から思いついとけばよかった……。
「卵のふっくらとした食感とコクがカレーと合わさって最強ですわ!」
「混ぜられたチーズの相性も言わずもがなじゃわい」
「1+1が5にも6にもなっている。十倍だぞ! 十倍!!」
「最高ですねぇ」
異世界卵の都合上、しっかり火は通さなくちゃだから、半熟ではないんだけどさ。
しっかり火が通った上で、ふっくらフワフワのオムレツに仕上げてくれている。
このオムレツだけ見ると、ホテルでお出しされてても不思議じゃない。
「上手く出来た」
「最高ですわよ! ラベンドラ!!」
「キムチとオムレツとの相性もいい」
「うむうむ。そして茶を飲み、こっちのピクルスで口を改める。最高の組み合わせじゃ」
カレー魚卵、なんだかんだ言って堪能してるな。
最初からいい感じのカレーとして使えるの、凄く便利かもしれん。
「ふぅ、あっと言う間に食ってしまったわい」
「卵と食べると辛さがマイルドになった気がしません?」
「する。リボーンフィンチの卵の影響もありそうだ」
「……ふむ」
あのラベンドラさんの顔……何を考えてるんだろ。
辛さと卵の調和? 思いつく料理は……。
「キムチチャーハン?」
「? どうした? 急に」
違ったか。
最初に教えたチャーハンをアップグレードさせようと考えてたのかと思ったら、どうやら違ったみたいだ。
「ふう、カケル。そう言えば先程、食後のチョコを手に持っていたな?」
「まぁ……買って来ましたからね」
「頼む」
「はい」
こうも真っ直ぐ伝えられたらね。
まぁ、出さないって選択肢はないわけですけど。
それじゃあ、日本が誇る? チョコレート、堪能していただきましょうか!
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