第223話 家庭用焼肉セット
と言うわけで買ってきました焼き肉の具材。
メインの肉はラベンドラさんから異世界輸送された奴があるから、メイン以外の肉や野菜を買って参った所存。
そういやあの肉に名前つけないとな……。
――デリシャスビーフイッシュで。
美味しかったし……牛肉っぽいしでピッタリなネーミングだね?
いいね?
「にしても、割といい値段したな」
ちなみに今回、姉貴からの仕送りを使って、普段はスーパーで買う所をデパートで買い物してきました。
つまりはそれなりのお肉を買ってきたと言う事。
まずはこいつ。
これが無ければ焼肉は始まらない、牛タン!!
……流石にスライスされてるやつ。
売ってたんだけどね、牛タンの塊。
見た目もアレだったし、余ったら困るしで買うに至らなかった。
そしてお次はサガリ!!
珍しくて買ったんだけど、いわゆるハラミと同じ横隔膜の一部の事らしいんだけど、ハラミより脂肪分が少ないそうな。
コクとうま味が強いらしく、気になったので購入。
なお、希少部位とのことでお値段も……。
「一応カルビやロースも買ってきたけど、デリシャスビーフイッシュだけで事足りそうな気もする……」
でまぁ、焼き肉と言えばな部位ももちろん買っては来た。
そいつらがデリシャスビーフイッシュに対抗出来るかは知らん。
「豚バラと~、鶏肉と~」
で、牛ばっかりじゃあって事で、豚バラに豚トロ、鶏もも、せせりも購入。
お肉はこれ位だね。
続いてお野菜。
玉ねぎ、ピーマン、カボチャはもちろん、サンチュもどっさり。
あとはキャベツも買ってきましたよっと。
焼き鳥――焼きワイバーンの時に作ったけど、やみつきキャベツももちろん作る。
……よし、仕込みを開始しよう。
まずはタレ! なんと言ってもタレ!!
「焼き肉のタレと塩だれはあるから……」
なお、基本は市販品なもよう。
俺が今から作るのはそう! いつぞやのニラペースト!!
あれ美味かったからな! 焼き肉するなら当然いるだろって事で作っていく。
「牛タン……ネギ塩乗っけた方がいいのかな?」
ニラを叩きながらぼーっとそんな事を考えた。
よく焼き肉屋にあるじゃん? ネギ塩がどっさり乗った牛タン。
……いいや、面倒だし。
その代わり、刻みネギとか薬味は用意してやろう。
おろしにんにくにおろししょうが、大根おろしに刻み梅なんてのも良さそうだ。
……おろしてばっかだな?
まぁいいか。
「野菜は洗って切って、と」
カボチャはスライス、ピーマンはタネ取って四等分にカットして、玉ねぎは輪切り。
キャベツは適当に手でちぎったら、味の素、ゴマ油、塩昆布をかけてさっくり混ぜ合わせる。
あとは……、
「すりおろすだけっと」
梅はタネ取って刻むだけだし、そんなに時間が掛からない。
と言うわけで、しょうが、にんにく、大根をそれぞれすりおろしていきますわぞ~。
擦り終わったころに――移動!
*
で、擦り終わったものがこちらになります。
えー、擦るのが大変だったので、ある程度しか用意してません。
お代わりが欲しくなったらあの人たちの魔法ですりおろしてもらう。
エルフの魔法は使いよう。
「で、作らなくちゃいけないのはデザートなわけだけど」
賢い僕は考えました。
折角コーヒーの美味しさを知ってもらったのだから、コーヒーのスイーツをもっと味わって貰おうと。
コーヒーゼリーだけがコーヒースイーツじゃないからね。
と言うわけで本日白羽の矢が立ったスイーツは……デデン!!
アフォガードになります! わーわー、やんややんや。
……なお、本来はエスプレッソを使うらしいんだけど、うちにはエスプレッソドルチェとか無いからね。
やや濃いめのドリップコーヒーで代用します。
使うコーヒーはコクと苦みが特徴のブレンドされた奴。
コーヒーの苦みとアイスの甘さのコントラストが最高に合うスイーツなのでね。
それを意識したやつを買ってきましたよっと。
「アイスも一回作ったしな」
あの時はデカクカタイタマゴを使ったアイスだったな。
で、俺は思ったわけですよ。
バカデカアーモンドッポイミルクってさ、結構脂肪分を感じる訳。
こう、飲んでも、ウッってなる感じじゃないんだけど、どことなく生クリーム感があるわけです。
これ、泡立てたらいけんじゃね? と思ったので、今日はこれを泡立てて生クリームにし、それでアイスクリームを作ろうかなーなんて思っちゃったり。
ま、ダメなら市販のバニラアイス買って来てますし? お寿司?
やりたいから、やる。できっこないをやらなくちゃ。
と言うわけで、レッツら混ぜ混ぜ!!
*
「まさか本当に滝の裏側がダンジョンになっとるとはな」
「滝の水量が凄すぎて、転移魔法が使えないと見つからなかったがな」
「でも、私たちが第一発見者なのは好都合ですわね」
「国に報告する前に一通り漁れる。報告して何か問われても、安全性の確認で押し通せるだろう」
商人から得た情報を頼りに、目的の滝へと到着した『夢幻泡影』は。
探知魔法を使い、周囲を探査。
滝つぼ内もくまなく散策したものの、特に何かが見つかるわけでもなく。
であればと、探知魔法の届かなかった滝の裏の捜索を開始。
マジャリスの弓矢とリリウムのソーサーにより、滝の裏に空間が広がっている事を確認した四人は、転移魔法にてそこへと移動し。
見事、誰にも発見されていなかったダンジョンを見つけることに成功していた。
「ダンジョン内の状況も、住み着いている魔物も未知数」
「普通であれば引き返すが正解じゃろうな」
「ですが、私達にその選択肢はありませんわよね?」
「もちろんだ。未だ知らぬ食材が眠っている可能性がある。誰かの手が入ってからでは遅い」
そうして、一切躊躇わずにダンジョン内へと入っていった四人。
余談だが、新規ダンジョンのギルドへの報告は、冒険者として義務であり。
行わなければ厳重注意以上の処罰が下される場合があるのだが……。
『夢幻泡影』の食欲の前には、それらは些細な事でしかなかった。
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