第6話
「はぁはぁ」
「アリス〜、魔法の才能はあっても、剣の才能はないんだね」
あれから2ヶ月の月日が流れる。
ガイからは魔法を教わり、ラーラからは剣を教わっていた。これでも20年間剣を握っていた身からすれば、ラーラはめちゃくちゃ強い。前世の俺と剣だけの勝負でも、勝てる気がしない。
「いやいや、僕からしたらアリスも相当凄いと思うんだけどな...」
体育座りで観戦をするガイ。
ラーラは休ませてくれる隙も与えずに次々と打ち込んでいく。
この世界では魔法使いは重要見されているが、魔法をまともに使える人間は少ない。なので、殆どの人間は剣を鍛えて居る。槍や斧、弓などを使って戦う者はいるが、英雄マルクとその仲間である四大剣神は剣を使って居る事から剣術が主流となっている。
英雄マルクとは、第三次人竜大戦の中で戦争を終わらせた英雄。どうやら、この世界では物語の様な魔物はいるが、それは全て竜種と言われている竜の怪物。竜神王ブロブレアスを討ち取ったのが、英雄マルクと4人の剣神と言われいてる。5人中、5人が剣を使って居るとは、なんてアンバランスなチームなんだと心の中でツッコミを入れた。
「今から全ての流派を叩きつけるよ!魔法もすぐ覚えられるから、剣術もすぐ覚えられるでしょ!」
母親はスパルタだ。
無自覚であるが、自重を知らないのだ。それにスパルタであって、教えるのがめちゃくちゃ下手だ。
「こうやって、シュッとして、バーンとするの!」
「はい!」
全くもって何を言って居るのかは分からないが、ここは分からないが分かった様な返事をする。
そして、この2ヶ月間で剣術の事を学んだ。
この世界では、主に四大剣神が使っていた4つの流派が主流となって居るそうだ。
高い火力の斬撃を得意とする、だが破壊力はあるがスピードもなく隙が多いと言われている炎剣琉
攻撃を受け流しカウンターを得意とするが、カウンターを中心とする為、自分から仕掛ける事が少ない水剣琉
素早い斬撃と手札が多い、だが素早さを活かして居る事から一手一手の破壊力がない風剣琉
防御を得意とし、斬ると言うより叩き折るの様な斬撃を繰り広げるが、剣術として乱暴な土剣琉
本来なら一つの流派を極めるには、生涯を費やさないといけない。同時に流派を極めるには才能と努力が必要。母の様に全ての流派を極めて居るのは、世界でほんの僅かだとガイが語っていた。
ちなみに剣術にも魔検の様に、資格が存在する。
それを国家剣術階級、略して剣級と言うものがある。それぞれ、下から初級、下級、中級、上級、最上位、師範級、剣聖級、剣神級の八段階。魔検より一つ階級が多い。
ラーラは四つの流派を全て、師範級の資格を持って居るそうだ。ガイ曰く、剣級を更新するのが面倒の事から剣技協会に行っていないだけで、もしかしたら全て剣神級を獲得できると言われている。
だが、ぶっちゃけ俺にこの四つの流派とは相性が悪い。何故なら今は感覚だけであるが、俺の前世に極めた流派がある。
ちょっと試しにやってみようかな...
ラーラの教えは、だた見せて受けて覚えろと、俺にただひたすら打ち込んでいる。
なら、前世に鍛えた流派を放ったらどんな反応するか気になる。
だが、今の素の状態で使うのは危険。
魔力と違ってこの世界には呪力と言うモノはない。使っても感知される事はないだろう。
影を俺の肌色に変化させる。
本来なら人に放てば殺してしまう程の高い殺傷力。だが、今の身体能力と最強なラーラは耐えきれるだろうと、俺は聞こえない様に月華琉を放つ。
「
「?!!」
「へ?」
凄まじい破壊力がある一閃を放つ。
ラーラは背筋が凍る感覚が走り、思わず力を入れて受け返してしまった。俺はその威力に後ろに吹き飛ばさせるのだった。
「ラーラ!やりすぎだ!!」
「アリス、今の一振りはなに?びっくりして思わず、ちょっと本気にしちゃったよ」
お互いの木剣は砕けていた。
「アリス、大丈夫か?」
「はい、大丈夫...」
両腕がめちゃくちゃ痛ぇ!ラーラの防御ってより、俺が月華琉を使った筋肉痛が酷い。やっぱり、子供の腕ではダメだな。影を纏ってて正解だった。
「...アリス、今日はおしまい」
「はい」
もっと鍛えないとダメだな。
逆に俺の流派で自滅する勢いだな。
でも、ラーラの反応を見る限りこの世界でも月華琉は通用する。
やっぱり、この世界は楽しい。
誰もが俺の力の探究を嫌な思いする奴はいない。
もっと強くなる...強くならないと、守るモノを守れない...それに強い奴はモテる!ぐへへ、どんな美少女が釣れるか楽しみだな
アリスはまだ見ぬ美少女とウハウハできると考えるとよだれが止まらなくなっていた。
第六話 『四大剣神』
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