敗者の真は白百合となり枯れた。
@toamtopple31
第1話 虐げたかった須らくへの愛①
はるか昔、まだ宇宙すら産まれていない頃。世界は、何か匂いのようなもののする形ない概念の世界であった。そこには、「勝者の真」という尊敬、慈悲、権威、栄光を是とする主と、「敗者の真」という愛、運命、誇り、勇気、希望を是とする主がいた。この二人の主は反発し合い、また学び合いながらお互いを過ごしていた。
ある日、自らを傷つけ続ける勝者の真をどうにも助けたくなった敗者の真は言った。
「なあ、勝ち者よ。もっと豊かな世界になる方法を思いついた。私の時戻りを使って、二人で混じり合わないか?そうすれば、勝ち者、負け者なんていうレッテルは外れて自由になる。いいかげん、勝ち者、負け者なんていうくだらないものに煩わされるのは飽き飽きなんだ。」
「そうだな負け者よ。栄光を知らん君たちは不憫だ。だのに君達ったら俺たちは、ほとんど幸せだなんて言う。是非そうしよう。」
「キヒィッ・・・」
どちらかは分らないが、どちらかが卑しく笑った。満面の笑みで。そして両者は鼻を鳴らし、これで清々すると一心地着いた。
こうして、二人の主は融合し、匂いだけの世界から、質量を持った映像である世界、つまり地球という宇宙の一部が産まれた。そして、そして幾星霜経った後。
✖✖✖✖「あぁ、嫌だなぁ。。。」
✖✖✖✖✖「言ったな?では始めよう。あまねく全ての存在が己を神とあがめる世界を。。。」
さて、これはどちらが言ったのやら。
種明かしは終わりです。ではここから謎解きをご一緒に。ゴムきっしょ(臭い)に。
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「俺は餓狼、飢えた気高き狼が己が全てを賭けて他者を喰らうという意味の名前だ。勝者の真様に名付けて貰った。此度の戦いの最大の功労者として、この戦勝書の序文を書くを賜るに至った。まあ、まーま零度。しかし冷えるな。最近の気候はおかしい。まあいい、俺は頭を使う物書きは不得意なので、慈悲の大貴公に物言いを手直しして書いて貰っている。しかし、最期、奴の息の根を止める時はひやひやした。攻めは最大の守りだと言うが、あれを見るとそうも思えなくなる程、壮絶な気迫だった。魂器がなければ今頃は。。。それはそうともう飽きた。酒池肉林に戻るとしよう。」
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